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□俺様彼氏
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「ねえ。そういえば、昨日の志穂超かわいかったよ」
「は?なに、急に」
「志穂ってやっぱ、じらされるのとか好きなんだな。再認識」
「そういうこと昼間っから言うのやめてよ!それに好きじゃないし!」
「照れんなよ今更。恥じらい合うような関係でもねぇだろ俺ら」
ベッドの上でも、いつも負けてる。
いや、情事に勝ち負けがあるのかどうかは知らないけれど。
昨日の夜は確かにじらされてじらされて、最後のほうなんてほとんど記憶無し。
そんな限界よろしくな私をみて、この男はかわいいと思っていたらしい。
おかしな性癖の持ち主だ。
言いたいことは今言うし、オブラートに言葉を包んだりなんかしない。
そんなデリカシーのない啓太だけど、こうして何年も離れられないのには、理由がある…はず。
別れたい、とか、離れたい、とか思ったことが今までに1度もないのは
私の素晴らしい忍耐力の賜物だとは思うけど。
そう思わせない啓太にも、何かしら才能があると思うのだ。
「あとさー、これも昨日ヤってて思ったんだけど」
「もう大人なんだからヤっててとか言わないで」
「…お前痩せたら?」
「…え!太った!?私!」
「太ったっつーか…俺が、もうちょいくびれた女が好きだから」
ウエストを指でつまむ。
確かに、そんなにくびれてはいないけど…。
そういえばさっきめくっていた雑誌に、ダイエット特集が載っていたような。
見直してみて、実践してみようか。
即座にそんな思いが脳内を駆け巡るあたり、やっぱり私は啓太が好きだし
自分にはまだまだ乙女な部分が残っているようだ。