short
□LOVE or HATE
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LOVE or HATE
「なにこれ、」
ソファーに寝転がっていた秋吉の前に、ごん、と皿を置く。
のそのそと起き上がった秋吉は、頭を掻きながら、私の作った料理を見てこの一言。
デリカシーだとか、そういう言葉を知らないのだろうか、この男。
「見てわかんない?ロールキャベツ」
「ちーちゃんこんなもん作れんの?」
「簡単だよ、こんなの」
とか言いながら、意外と手がかかることは内緒。だけど得意だから、簡単に作ることはできた。
別に、秋吉に得意料理を振舞ってやりたかったわけではない。
冷蔵庫の中に、たいして料理の材料が入っていなかったのだ。だからこれくらいしか作れる料理がなくて。
あいつやっぱり、嘘つきで自己中。