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□愛してるの味
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ふたつ年下の彼女は俺という彼氏がいながら、「まだ男を知らない」と言っても言い過ぎではないと思う程に純粋だ。
付き合い始めて3カ月。
この間初めて手をつないだけれど、その小さい手にちょっと触れただけで彼女は頬を真っ赤に染めて押し黙り、家まで「はい」しか言わなかった。
いつまで経っても抜けない敬語。名前だって呼び捨てにしてくれたらいいのに、いまだにさん付け。
それはそれで可愛いからよしとするけど。
「悠斗さん…!」
「んー?」
「ち、近いです、」
「訓練訓練」
一人暮らしのワンルームの俺の部屋で、1.5人掛けくらいの小さなソファーに寄り添って座る。
今日は彼女のリクエストで、なぜか動物園に行くことになっていたんだけど、朝起きたらあいにくの雨。
仕方なくプラン変更で俺の家でゆっくりすることにした。…で、今に至る。