りれしょ

□りれしょVol.1〜謎の老人編〜
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「手を出す、とな?
残念ながらワシにはそのての趣味はないんじゃがのう。」
天然なのかボケなのか。
濃い髭に覆われたその顔からは窺い知れないが。
明らかに場違いな内容。

「……?」
「…子供にはちと早すぎたかの?」
さっきまでの猛々しい老人はどこへやら、いまは陽気に笑う老いぼれにしか見えない。
そして、ゴホンとわざとらしく咳払いをして
「つまり、君達に危害を加えるつもりはない」
剣を鞘に納めた。
「ただの力試しのつもりじゃったのだよ」

目の前で、剣を納め、陽気に笑う老人を見る。
「そう。危害を加えるつもりがないんなら私は別に……」
そう言い、続きを紡ごうとするも、後ろからの声に遮られる。
「それで、私達はどうだったの?予想通りだった?それとも、案外たいしたことなかった?」
女の子とは違う、とても楽しそうな声。
何時の間にか、庇う様に出ていた女の子の隣まで来ている。
友達は、瞳をキラキラと輝かせながら、老人の言葉を待った。
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