一番上の引出し

□君からの愛は信憑性にかける
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第一条件、晴れた日。ポカポカ陽気ならもっといい。
第二条件、お父さまがいない日。じゃないと見つかっちゃうから。
そして第三条件、これが一番大切。あなたが忙しさに振り回されてる日。





「お前は僕を過労死させたいのか?」

いつもと同じ草原に寝転んでいれば、やっぱり来てくれた。

「まっさかー。リオンのいない世界なんて、塩のふってないスイカみたいだもの」

上半身だけ起こして笑いかければ、そこにはいつもと同じ不機嫌そうな顔。

「なんだ、その分かりにくい喩えは」

ポンポンと私の隣を叩けば、仕方なさそうに暖かい草に腰をおろした。
じぃっとその顔を、特に目元を見てみればやっぱり色が悪くて、私の方がため息をつきたくなる。

「あってもなくてもいい、って人もいれば、あるなんて考えられない人も、ないなんて考えられない人もいるんだよ」

ちなみに私は最初のね、と付け足した。
立とうとしない私に、毎度の光景を思い浮かべたのか、リオンはそのまま目を瞑った。
文句を言ってきそうにないリオンに、逆に頬を膨らませてみた。

「ちょっとー。彼女に、いてもいなくてもいい。って扱いされて文句の一つもないわけー?」

「ないな。それに誰が誰の何だ?」

冷たく返してくるリオンには慣れてるから、それでもニヘラーとだらけて笑った。
髪をふわふわと持ち上げ続ける、冷たくはない風。
止むことはないし、急に突風になることもない。
風が吹いたまま、ずっと同じ時間を繰り返している。

「お前は何度脱走すれば気がすむんだ」

その時間の流れを、少しだけ進ませて訊かれる。
うーん、とこの場所にリオンと一緒に座ったいくつもの記憶をかき集める。

「わかんない。とりあえずいっぱい」

毎回毎回、リオンは大きくため息をついて、私が立ち上がるまで一緒にいてくれる。無理やりじゃなくて、同じ速さで歩き出してくれる。

「あと、これからもいっぱいの予定」

返事は声じゃなくて、盛大なため息で返される。
そのまま、リオンは動かなくなった。その顔を覗きこんでみれば、閉じられた瞼は開きそうにない。

真っ白なのに、連日の多忙に負けたような荒れた肌。それでも、私の肌よりも断然綺麗で。
私閉じ込められたままのお嬢様なんて似合わない。
お嬢様っていうのは、リオンみたいな人を指す言葉だと思う。

「私も、何かに一生懸命になれたらいいのにな」

私の何かが見つかるまで、とりあえずリオンが倒れないように笑っていようと思った。
身動き一つせずに眠るリオンの隣、時間が止まったような感覚を覚えながら、私も目を閉じた。



「好きだよ……」



聞いてるはずがないのに、そう呟いた。そう呟いて、勝手に顔を赤らめた。
これくらいなら、と眠っているリオンの肩に寄りかかってみた。気持ちよかった。



眠っているはずなのに、リオンがため息をついて、頭を撫でてくれた。
そんなはずないから、それは夢。そんな、夢を見た。





──だったら、
  もう少し接し方があるだろう。

────────────
リオンが仕事で忙しそうだから、私が休む場所をつくってあげよう!
……って、ことですか?(笑)
互いに大好きなんですが、どうも素直になれなくて、真っ直ぐ受け取れないみたいです。

そういうことでお願いします。はたして、お題に沿えているのか……orz

いつもと少し文体とか変えたいなー、とイメージしてつくったんです、が……あれ?私のノートにはただの妄想が書き連ねてあるだけで全く打ち込みの参考になりませんでした(笑)
クリスマスも年末年始も近いですが……全く関係のないものですね!!

千鶴さま主催のクレヨキャンパスに提出させていただきました!
素敵な企画、ありがとうございます!!すごく楽しかったです。

(20091223)


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