塵の結晶

□魔法使いの絵
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僕の前には、少年がいた。その少年は、地面をぐるぐる転がっていた。見ようによっては、ジタバタにも見えた。

「おい少年。大丈夫か?」

僕もズキズキと痛む頭を押さえながら、できる限り優しく声をかけた。
少年はそんな僕を涙目でキッと睨んでくる。

『うっせ、ぼけなすっ!』

カッチーン

あらら?お兄さん、ちょっくらイラッときちゃったよ?

「ほぉ。そんなこと言うのはこの口かぁ?」

僕の頭とこいつの頭がぶつかったんだ。こいつの頭は今、めちゃくちゃ痛いはず。
フフフと笑って、頭を締め付ける。

『い……』

泣き顔が濃くなった少年を見て、少しやりすぎたかと心配になる。

『ってーんだよ。クソババアっ!』

はい。
決定。こいつ殺す。

『うおぉーっ!』

頭を先程より強く締め付けると少年の声はでかくなる。
いきなり空から降ってきた少年と僕がこんなことをしているからか、自然と僕らに視線が集まってくる。

……ん?
空から降ってきた……?

『うぅ……。帚折れた』

手を緩めた途端に、少年はそこから脱け出す。そして少年と共に落ちてきた折れた帚をつかむ。


空から……
帚……
折れた……

何故か僕に頼むような瞳……


しまった。面倒なことになってしまう。

ガシッ

捕まれた。……手遅れだ。



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