最遊記

□ご報告はお早めに、
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「俺、今日誕生日なんだよね。」


11月9日、現在の時刻、深夜11時30分。


後わずかで、11月10日が訪れようとしているこの夜中に、沙悟浄は煙草を片手にポツリと呟いた。

その表情には影が見える。


「えっ…誕生日?」


髪を梳いていたくしを止め、ふと考える。




 初耳なんだけど…




カレンダーをチラリと見るも、そんな事は書かれていない。

宿の奴だから当たり前なんだけどね。



現在、部屋にいるのはあたし一人。

ほかのみんなは自分の部屋に帰ってしまった。




…言いたいこと分かるでしょ?




「そう、今日俺、誕生日だったの。」




 なに?あたしに何か
 やれと?

 こんな時間になにを
 しろって言うの!!
 そういうのは、朝言
 え、朝!


ジトリと感じる悟浄の視線。

この場からすぐにでも逃げたい。




 あの〜、殺虫剤あり
 ません?一撃必殺み
 たいな奴




「いや、別にプレゼントが欲しいとか、そんなんじゃない訳よ?

ぜんぜん…マジでプレゼントとかほしくねーし?

だってあれ返すのメンドイだろ?

だけど!…だから、」




 …ふぅ、分かった。
 お姉ちゃん分かっち
 ゃったよ。


 プレゼント欲しかっ
 たんだよね?お祝い
 して欲しかったんだ
 よね?

 実は内緒で誕生日パ
 ーティーの計画して
 いるんじゃないかと
 思ったんだよね?

 きっと、みんなが各
 々の部屋に分かれて、 あたしが本格的に寝
 る準備を始めたから、 焦って言ったんだね。


 君の、そのチラチラ  とあたしを見る視線
 がそれを物語ってい
 るよ。








 だからって、今更言
 うんじゃねーよ!!ゴラ!


「あたしちょっとトイレ行ってくる。」


「えっ、マジでプレゼントとかいらねーからな〜」




ラストのやけに嬉しそうな悟浄の声を遮るように扉を閉め、

あたしはとりあえずハサミを探し始めた。





 くたばれ、河童。






んで、これ何?


ん、肩叩き券。
これ持ってる人は、隣にいる人の肩を叩かないといけないの


俺がするの?


そ…、さぁ苦しゅうないぞ。揉め、肩を!






HAPPYbirthday悟浄!

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