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□生徒と教師
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*セイント学園*
生徒のレイは、新人教師のルカ先生に憧れていた
優しくて格好いいルカ先生…
そんな彼に近付こうと思うも、ルカはレイの苦手な数学の先生で、なかなか話す機会もなかった
(格好いいな…)
長く伸ばされて縛られた、銀色の髪の毛がサラサラと揺れる
(綺麗な髪…
スーツも素敵だな…)
「…レイ」
「っ!!?」
急に目が合ったと思うと、名前を呼ばれ、レイの心臓が弾ける
「この問題をやってみろ」
「え?
あ…えっと…っ」
「まだ解けていないのか?」
レイは授業は上の空で、何も聞いていなかった
「…」
回りの生徒を見渡すと、みんな解き終わった様子で鉛筆を置いている
「………レイ?」
「……う」
ルカにノートを覗き込まれ、顔が熱くなる
レイのノートは真っ白だった
「放課後、生徒指導室に来なさい
…シン、代わりに答えて」
「……」
レイは恥ずかしくて、消えてしまいたくなった
(……僕のばか)
* * *