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□おしどり夫婦
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「レイ、疲れてないか?」

「あなた…」


毎朝、早朝から夫婦二人でケーキを作る生活

しかし、最近は近所に出来たケーキ店に客を取られている

一生懸命作ったケーキも売れ残り、疲労ばかりが溜まっていく


「あなた…大丈夫ですよ
明日も頑張りましょう?」

「ありがとう…レイ…」

ルカは妻のレイを優しく抱き締めた

お互い、ケーキの匂いが染み付いている
毎日嗅ぐ匂いは鼻に付くものがあるが、二人はこの香りが好きだった

「あなた…」

「レイ…」

ルカの腕が腰に回され、レイのエプロンのリボンを解いた

レイもルカのスカーフを外しに掛かる

唇を重ねながら、だんだん手が大胆に伸びる…

「レ…
―――!」


「かぁさん! 腹すいたぁあ!!」

「ママ、眠いよぉ…」

「また、イチャイチャしているのか?」


「っ!
ガイ、マヤ、キラ…」

ルカとレイがベタベタしていると、3人の息子たちが厨房に入ってきた


「もうっ
みんな早く寝なさいっ! ガイっ、夕飯はさっき食べたでしょう!」

「だぁって、ケーキじゃ腹の足(た)しにならねぇんだもん…」

「仕方ない子ね…
お腹がすいてるなら、冷蔵の残ったケーキを食べていいから…」

「またケーキかよ!」

「ねぇママ…僕、眠いよ…」

末っ子のマヤは、母親に添い寝してもらわないと眠れなかった


「…マヤ、もう寝ましょうね」

レイはマヤの手を引くと、うるさい息子たちをルカに任せて寝室に向かった


* * *
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