Request book

□記憶喪失
1ページ/10ページ

「シン…どうですか?」

「美味しくはないです…」

シンはレイの作った怪しげな色の液体を飲み干した

飲み込めなかった分が口端を伝い、レイがお節介にハンカチで拭った


「どうですか?
体に変化は…」

「別に普通ですね…」


「シン? レイ?
何をしているんだ??」

「レイ、それは?」

ユダとルカが部屋に入ってきた

二人はビーカーで温めた緑色の液体に目を向ける

「魔法書を見て作ってみたんですよ」

レイは少し照れながら答えた

「なんの薬なんだ?
シン、効き目はどうだ?」

「え? …貴方は?
…貴方はどなたですか?」

「!?
なんだって…??」

シンのその様子に、ユダは動揺した
シンは冗談を言うタイプではない


続けて、レイが大声を上げた
「ああ!!
ま…ま、間違えてしまいました!」

「レイ?」
ルカが怪訝な顔になる

「えっと…作りたいものと違う薬を作ってしまいました…」

「では、シンが飲んだのは何なんだ!?
記憶喪失になるような薬なのか?」

「愛する者を忘れてしまう薬みたいです…
…ライバルを消すのに使われるそうですよ」

「では、シンはユダを忘れて…」
次へ  

[戻る]
[TOPへ]

[しおり]






カスタマイズ