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□休日
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―バタン

「ユダ、行くぞ…
っ!…す、すまない」
ユダを迎えに来たルカは、慌てて扉を閉めた

「〜っ!」
見られたことにシンの頬が赤く染まった

「シン、また明日な…」

「…はい、…本当にお気を付けて」

ユダが出て行くと、シンは何もする気になれなくて、その場に立ち尽くした

「……」
ユダが先ほど触れてくれた肩に、自分で触れてみる

しかし、自分で触れてしまうと、ユダの温もりが消えてしまうような気がしてやめた…


「……、…?」

ドアの開く音がして、シンは顔を上げた

「シン?
何をしているんだ?」

ユダだった
先ほど出掛けはずのユダが戻ってきていた

「え…どうして…」

「俺の代わりに、ルカがレイを連れて行ってくれたんだ」


ルカはきっと気を遣ってくれたのだろう


「……」

「どうした?
嬉しくないのか?」

「嬉しい…です…」

シンはユダにゆっくりと、遠慮がちに抱き付くと、顔を埋めた


「……」

「……シン?」

ユダの瞳に写ったシンは、酷く不安そうに見えた

「あ…その…っ」

シンはユダに口付けをしようと、顔を近付けた…
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