Novel:real

□キミハカルマ
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《T-side》
只今、某番組の収録中。
「納豆揚げ餃子って美味しいんですよ!」
ゲストの大好物だという、その「納豆揚げ餃子」がスタジオに運ばれて来た。美味しそうに試食して、楽しそうにトークをすれば、順調に進んだのに…事態は思わぬ方向へ…

「ホンマや、美味しい…」
「うん、イケる」

そう言って、餃子に手を伸ばそうとしたその時…
僕の箸と光一の箸が絡み合った。

「あ……」

一瞬の沈黙。思わずドキッとしてしまった。
何をときめいているんだと、自分に言い聞かせる。

「なんか、ドラマのワンシーンみたーい!!」

あかん!そんな事言わんといて!ホンマに…意識してまうやないか…。何なんよ、このゲストは…。
どうしよう…どうしよう…。
ここはとりあえず…

「恋しちゃうとこだったよー」

良かった…普通に言えた。あはは、と笑う観客の声。僕は、ほっとして光一を見る…
あれ?
なんか、違う。真剣な表情。
もしかして…嫌だった…?
優柔不断な僕は、観客に合わせて笑うことしか出来なかった。
その後の僕はといえば、本番中だというのに、光一の表情が気掛かりで仕方がなかった。



…おかしい、この気持ち…もしかして…


…恋?

いやいや、有り得ないでしょ。相手は男だし、しかも…相方。
僕は、こんな難しい恋をして傷つくより、光一の相方として、いつも隣りに居ることができたら…
それだけで幸せ。
そうだよ。それに、男が男を好きになるなんて、有り得ないじゃないか。僕は何を真剣に考えているんだ」

「…そうだったよな、剛。…って、剛!おい、聞いとんのか!?」
「へっ!?」
「『へっ!?』ちゃうがな。この前、マッチさんとコンサートで会ったよなって聞いたやん。」
「あ、そうだったね、そういえば…」
気が付くと、番組収録はもう終わり、出演者同士で話していた。











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