番外編

□2009:正月
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「明けましておめでとうございます!!今年もよろしくお願い致します。」


「おめでとう」
『おめでとう、こちらこそよろしく』











君と僕らの間に"これからも"とか"ずっと"とか未来の約束は、簡単にはできないけど

















「おめでとう…何か変な気分だな」

「何が?」

「あ、うん。あの子はずっと正月はキャバッローネで過ごしてたんだよ、実家になるからね」
















僕らは君にあまり隠し事をしなくなったね


















「そっか…ツナ、ディーノ呼べないかな?」

「それはいいね」



















下手に隠すと君はまた一人で考え込んでしまうから






















「きっと寂しいだろうからね」














君は優しいから















「恭弥、連絡をして来てくれるかい?」

「分かった」












君は不思議な子だ














「お前は大丈夫なのか?」

「へ?」

「…やっぱいい」

















あの子と同一視されるのを嫌って、俺達もしなくなった



















「あぁ…だってディーノも私だって分かってくれてるし、でもきっと寂しいものは寂しいでしょ?」
















それでも時々あの子の働きをしようとする



















「強いな、お前…」

「強くないよ?何にも強くない。」

「…あぁ」

















そうだ











君も、俺達も、誰も強くない弱すぎる



















「はぁ、」

「あ、恭弥お帰りなさい、早かったね」

「うん、外にいた」

「は?」

「よ、よう…明けましておめでと、う」







「ディーノ!!」












きっとディーノも同じ気持ち





だから君は思い切り抱きつくんだよね
















「呼んでくれたんだってな…ありがとう」

「へへっ、」










照れたように笑って











「嬢ちゃん、今年もよろしくな」

「ロマーリオもね」











優しく笑って

















時々、本当の兄妹のように見えるけど
















「さ、仕切り直しだね」

「お雑煮!あ、ディーノ達ってお餅平気なの?」

「あぁ、何回か食ったよ」

「そっか!隼人、準備に行こう!」

「あぁ」

















やっぱりあの子とはどこか違って
















「恭弥、」

「何?」



「俺さ、妹のいない正月が寂しくて今日ここに来た気がしてた………でも違った」















貴方も気付いていたんだね

僕らの変化に






















「俺……アイツに会いに来たみたいだ、」



















僕らはあの子を忘れない
















「恭弥、ディーノ!」








「「今行くよ(ぜ)」」
















でも君は




君は…




















愛しい君に、今年も愛を注ぎましょう







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H21・1・2

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