雑文(質問等)

□ネタを提示してみる。
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●書きたいのもあるけど、書けないし、どっちかてーと読みたいネタ。誰か書いてくださると嬉しいなー。(本気)
 記憶すり替えシン。

●本編戦後
 オーブで合宿中のシンが事故で記憶障害に陥る。すべてを忘れるではなく、あちこちに穴が空いていたり確としていなかったり。そして巧妙な記憶のすり替え。
 目が覚めたシンの記憶は新しいものほど薄くなっていた。しかし完全に忘れてしまったわけではない。ルナマリアやメイリンと話すうちに補填されていく記憶、思い出していく記憶、しかし思い出せないものがあった。
 
 アスラン・ザラ。
 そしてアスランがいなくなったとこに置かれたのは、キラ・ヤマト。
 
 アスランを知っている。ザフトの伝説のエース、ヤキンの英雄のひとりとして。
 シンの記憶の中でミネルバにいたのはヤマト隊長になっていた。シンが墜とした青いグフに乗っていたのもキラ。
 
 フリダームは? フリーダムのパイロットなんて知らない。
 ラクスの婚約者は? キラさんだろう?
 ジャスティスのパイロットは? キラさんでしょう。
 ルナマリアとシンを月に迎えに行ったのは? キラさん。
 
 シンが憎んだのはフリーダムだった。
 雪の山野で討ったときもパイロットのことなど考えていなかった。キラ・ヤマトを憎んだのではなかった、シンはフリーダムという怪物を憎んだ。だからキラとフリーダムの分離が可能なのだ。
 戦後のシンは、キラとラクスが思い合っている事を知っているから、彼らが婚約者だとしても違和感がない。
 忘れるではなく、巧妙にすり替え、取り除かれたアスランの存在。
 ザフトの先輩で英雄に会えたと、まるきり初対面のように、緊張の中に舞い上がった憧れのこもる眼差しをシンに向けられるアスラン。
「……はじめまして、シン。アスラン・ザラだ、よろしく」
 俺はシンが忘れたくなるほどつらい存在なんだな。と、項垂れる親友を必死に励ますキラ。しかしその言葉は届かない。
 俺はシンに苦しみばかりを与えてしまっていたのかな。そんなことはありませんとルナマリアはメイリンは否定する。シンを見ていた彼女たちだからそう言える。
 アスランも、うぬぼれるならば苦しみしかないとはいわないけれど、けれど、俺がシンをたくさん苦しめたのはきっと事実なんだ。と苦く微笑む。
 目覚めてからは、新しい記憶を忘れがちなシンが落ち着くまで、つらいこともあるけど楽しいことだってあったから、つらかったことも楽しかったことも大切な思い出だから、それを忘れて欲しくないからと、ルナマリアとメイリンは今までのことをたくさんシンと話す。
 けれど私たちとミネルバにいたのはキラではなく、アスランなのだと、彼女たちはシンに言えなかった。
 あまりにも、まるで意識的にそうしているとしか思えないすり替わった記憶を信じているシンを刺激することを恐れた。今度こそ、本当にすべて忘れてしまってはと最悪の事態を恐れた。
 新しい記憶を忘れがちなシン、病室を訪ねたアスランは前回の“初対面”を忘れられていた。たまらずルナマリアへの伝言を届けに来ただけの人のように装い、病室を後にする。
 刹那アスランが浮かべた痛々しい顔が気になるシン。
 アスランはシンの様子を見にくることを止めなかった。
 幾度、忘れられても。幾度も、初対面を演じた。
 そうして憔悴していくアスラン。わけのわからない焦燥に襲われるシン。
 互いにザリザリと擦れ合い傷をつけあっているような、ふたり。
 ルナマリアだけが、あることに気づいていた。
 シンが、どうしてもアスランからキラに置き換えられないこと。
 
「あの人がかわいそうだよ!」
 
 ミネルバが地球に降下したあの時、カガリに喰ってかかった時、シンが放った言葉の数々は、アスラン・ザラのことでなければ出てこないものだ。
 シンのすり替わった記憶を揺さぶるには、あのときのことを思い出させるしかないのではないだろうかと彼女は考えていた。事態の打開には、もうそれしかないのではないかと、シンとアスランを見つめ彼女は考えていた。
 
 
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