【付き合いきれない 5題】


□2.ハレルヤと仲間たち(前編)
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「っっぎゃ〜〜〜!」


ばっしゃぁあぁん!!


ハロ'sと共に、トレミーの外装修理をしていた、刹那、ティエリア、イアンが、不審な音に反応し作業の手が止まる。

「…何事だ!」

「敵襲か!?」

刹那とティエリアは直ぐ様作業中のデッキを飛び降り、音のした方へ走り出した。

「ハロ達、後は頼むぞ!」

「マカサレテ!マカサレテ!」

遅れてイアンもデッキに渡した梯子を伝い降り、刹那達の後を追った。





(・△▼)ξ・ゝ・ξ





刹那達が駆けつけた先に、長身の男の人影が見えた。

刹那は素早く小型銃を構える。

「手を上げろ!」

「…あぁ?」

長身の男は、刹那の鋭い牽制に対してゆっくりと振り向いた。

刹那は彼の顔を確認すると、銃を降ろした。

「…アレルヤか。」

「違う、俺はハレルヤだ。」

「どちらでも構わないが、何かが海に落ちたような音がしなかったか。」

すぐ後ろで構えていたティエリアが刹那を通り過ぎハレルヤに近づく。


「あぁ…、アレだろう。」

ハレルヤが右手の親指を立て背中に広がる海を示す。

「アレ…?」

自分で確かめろ、ということらしい。

ティエリアはハレルヤを越えて海を見下ろす。

高度を上げた太陽が海の表面を輝かせている。地上は嫌いだが、海を眺めるのは悪くない。

しかし、今はそんなことよりも。

「特に何も変わったことは無いが?」

「違う、もっと真下だっ」

「全く…一体何が…」

一向に背中を向けたままのハレルヤはどこか苛立たし気だ。

否、彼は元々短気な男だ。気にすることでもあるまい。

刹那と追いついたイアンも加わり、トレミーの真下の海を見やる。

艦の作り出した濃い陰が海に落ち、視界が途端に悪くなる。

「ハレルヤ、勿体つけずに言ったらどう…」

その時だった。刹那が突如しゃがみこみ顔を強張らせた。

「ロックオン!!」

「――何っ!?」

「――何だってっ!?」

ティエリアとイアンが刹那の視線の先を追う。


暗くて気が付かなかったが、確かに、ロックオンが仰向けの体勢で海に浮かんでいた。トレミーの尾翼に片足が引っかかっている。

「…気絶しているようだが。」

波に揺られ続けるロックオンはピクリとも動かない。

「さっきの叫声と何かが落ちた音…ロックオンだったのか。全く、これしきのことで気絶するなど、ガンダムマイスターとして情けない。」

「おいティエリア、そんなこと言う前に――…」

「――これより、ロックオン・ストラトスの救助ミッションを開始する。」

「了解した、ティエリア。」

「お、おうっ!」





(・△▼)ξ・ゝ・ξ





「感冒だな。」

「かんぼう…?」

イアンがモレノの言葉をおうむ返しする。

「つまり風邪だ。薬飲んで寝れば治る。」

海とはいえ、ロックオンはかなりの高さから落下していた。すぐそばにはトレミーの尾翼もあった。身体への衝撃や打撲のことも考え、刹那達はロックオンをメディカルルームへ連れていき、ドクター・モレノに診察を依頼した。


診察を終えたロックオンは現在、診察室隣の病室で眠り、ティエリアが付き添っている。

「他は…?」

刹那は病室方向に向いていた身体を反転させ、モレノに向き直る。

「異常なし。流石マイスターと言った所か?」

「…そうか。」

「まぁ敢えて言うなら、海面にまともに打ち付けた顔面が赤く腫れているくらいだな。どんな飛び込み方をしたんだろうなぁ。」

「そいつは良かった。世話をかけたな、モレノ。」

イアンはインスタントコーヒーを注いだタンブラーをモレノに手渡す。

「まぁ、これが仕事だからな、気にするな。しかし…服を着たまま海水浴でもしてたのか?飛び込みするにしたって彼処からじゃ高すぎるだろ。」

「あぁ…それなんだがなぁ…海水浴じゃ無さそうでな。」

「?」





中編へ続く☆
 

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