R×T


□紫煙の渦(完成)
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プトレマイオスのガンダム格納庫。

ダークグリーンの塗装が施された
ケルディムガンダムの表面を這うように、
うっすらと紫煙が立ち上る。

ガンダムと同じグリーンを基調とした制服を身に纏った青年は、
溜め息と共に吐き出された煙を見つめ、
その先のケルディムガンダムの外装へ視線を移す。

まだほんの数回の戦闘に出撃しただけだが、
既に外装には無数の傷がついている。

所々深く抉られている箇所もある。


「生半可な気持ちで搭乗してたら、本当に死にかねないよなぁ。」


(特に、俺みたいな立場の奴なら尚更…だな。)




カランッ…




軽い金属音と共に、
後方からナットが転がり込んでくる。

それはライルの制服のブーツの踵に当たり停止した。



「ロックオン。そんな物吸うのは良くない。」


ロックオンと呼ばれた青年…ケルディムガンダムマイスター、
コードネーム『ロックオン・ストラトス』ことライル・ディランディは、
背中越しに声をかけられ、ナットが流れて来た方向へ振り返る。

いつの間にかその人物は、
あと数歩の距離まで迫っていた。




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