逆転裁判
□余韻 2(執筆中)
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不審に思い、ドアノブを軽く捻る。
きぃ…と蝶番(ちょうつがい)の擦れる音と共に、簡単にドアが開く。
案の定、鍵はかかっていない。
事務所に入るが、入口から見える範囲には成歩道の姿は見えない。
しかし…この雑然とした空間は何だ?
まるで、強盗にでも入られた後のようである。
ただ、掃除用具が事務所内に点在しているのを見る限り、掃除の最中であることが判る。
「時期的に年末の大掃除、といった所か。」
ただ…この状況から察するに、段取りよく進んではいないようだ。
床を掃除しようとしたのだろうか。「取りあえず脇に移動されてみました。」と言いたげな書類や段ボールの山を跨ぎながら、さらに奥へと進む。
(ム…?執務室の扉が僅かに開いている。)
扉の隙間からもれる夕陽が、光る糸となって私の足元を照らす。
(もしかして執務室にいるのか?)
その光に導かれるかのように、執務室へ足を進める。
「いるのか…成歩道?」