novelbbs

文章なら何でもどうぞ☆

[レス書込]
2 次へ 

11/09(Thu) 10:14
紅の冒険者・駆け出し編
リビジェ

フィーネ過去編その1・続きです。

またもつらつら書かせて頂きます〜。

[削除]

11/09(Thu) 12:20
紅の冒険者・駆け出し編13
リビジェ

道を行く者があった。
一人は男。
橙に近い濃い金の髪に瞳は深い空の蒼。鋭い雰囲気を纏った青年。
一人は女。
鮮やかな紅の髪に同色の瞳。いかにも快活そうな少女。
身丈も何もでこぼこな二人の旅人は、しかし至って普通に道を行く。
「だからクラウは手が出るのが早過ぎるんだよ」
「お前にも教えた筈だな?フィーネ。殺られる前に殺れ。追い剥ぎに情けは要らん」
「いやそうかもしれないけどさぁ…ってクラウ、相手が抜刀する前にもう斬ってたじゃん!」
「気のせいだ。剣は抜いていた」
「1ミリだけね!」
……普通…?
いや、この際物騒な会話などは措いておこう。
ともかく二人の旅人は道を行った。

[削除]

11/09(Thu) 12:44
紅の冒険者・駆け出し編14
リビジェ

少女の名はアルディレン・フィーネ。
故郷の村を失い、当てのない旅へ身を投じた駆け出しの冒険者。
男の名はエルフロスト・クラウ・ウィンスレッド。
目的もなく各地を放浪していた際フィーネを拾った、熟練の旅人。
男は少女に暇潰しのつもりで様々な知識を与え、また少女は男から旅生活における多くのことを学んだ。
例えば食事。
町から町へ渡る間の食糧計画は重要である。何せ持てる荷には限度があるし、予算の問題もある。
一般に携帯食糧といえば干し肉などだが、クラウはそれよりも別のものを重視するよう教えた。
「香辛料?」
訝しげに少女は男を見上げた。
そうだ、と男が頷く。

[削除]

11/09(Thu) 13:00
紅の冒険者・駆け出し編15
リビジェ

「何が起きるか分からん世の中だ。食えるものを余分に持っておくに越したことはないが、持てる量にも限界がある。だが香辛料ならば大した荷にはならん」
「でも香辛料じゃご飯にならないよ?」
「食材を現地調達した時に使う。食糧になる獣がいない時はその辺の野草を漁るしかないが、味の無い草を食った所で足しにはならんし、はっきり言って食えたもんじゃない。だが、味を付ければ食えるものは多い」
「成程。…でもお腹壊さない?」
「だから多少なりと解毒作用のあるものを選ぶ必要がある。さもなくば腹を鍛えろ」
「腹を鍛えろって、むちゃくちゃな…」
いつものことだけどさと、少女は苦笑った。

[削除]

12/08(Fri) 10:50
紅の冒険者・駆け出し編16
リビジェ

二人の旅人は殆ど街に宿ることが無く、大抵を山野で過ごした。
というのも男が街への滞在――というより、むしろ人と関わること自体を厭った為である。
疑問に思った少女がそれとなく男に尋ねると、男は素っ気なく「面倒事が増えるからだ」と答えた。
それに少女は納得した。
なにせ人から恨みを買い易い性質らしいのだ、この師匠は。
その日も、最早何人目かを数えるのも飽きた襲撃者を一刀のもとに斬り伏せ、二人は普段通り稽古を始めていた。
数ある男の授業の中でも、とりわけ少女が励んだのがこの剣術の稽古だった。
「フィーネ。お前、太刀は誰に習った?」
ひとしきり打ち合った後、出し抜けに男が尋ねた。
「我流だよ。近所の獣相手に練習した。今更なにさ?」
「妙に型がおかしいと思っただけだ」
ああ、と少女は言った。
「前は二刀流だったから、そのクセが抜けてないのかも。やっぱ直した方がいいかな?」
「そうだな…?」
ふと、何かに気付いたように男の視線が少女の手に注がれる。
その手にあったのは彼女の相棒である剣。
男が貸せと言って手を差し出してきたので、少女はそれに応じた。
「父さんが昔褒賞でもらってさ、うちの家宝なんだ。双剣だったんだけど、もう一本の方は無くしちゃって」
村が襲撃され、脱出の混乱の最中に何処かへ落としてしまったらしく、大分探したのだが結局片割れは見つからなかった。

[削除]

2 次へ 

[戻る]
[レス書込]
[TOPへ]



©フォレストページ