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06/15(Mon) 21:33
お見舞い
ビッグ

「ふむ、ここが自由の風の拠点か、なんともモッサリした感じだな、国内最強と呼ばれているのだから、もう少しバァァンとした荘厳さが欲しいものだ」

ちょび髭を蓄えた、40代と思われる男が、自由の風の拠点の前でそんな感想を述べた
まぁ、他人の拠点に文句をつけるだけあって、男の服装のセンスは良いものである
淡い控えめな色合いが、すがすがしく、しゃれた紫色の蜘蛛の刺繍が良いアクセントになっている

「頼もう!誰かおらぬか!」

よく響く声で、男が声をかけると

「なんだ?なんかようかおっちゃん?」

と、大柄な男が現れた
ギドである

(むう、適当に頭に巻いてるだけのスカーフに、タックトップ、はちきれん筋肉、田舎者丸出しの受け答え、いかにも頭は使えませんといった感じの男だな、やはり、あまり期待できぬか・・・)

男はギドの態度に顔をしかめながらも、堂々と名乗りを上げる

「私は紫蜘蛛騎士団団長マルビン・ボズロフだ。自由の騎士団団長ハイリア・エストラティどのの見舞いに参上いたした」

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10/06(Mon) 01:50
吉野外伝
ビッグ

ゴリゴリと肉を食う音がする
またあの夢だ
生きながら牛の化け物に食われる夢だ
牛の化け物がバリバリと自分を食らう

食うな!

と吉野は強く抵抗する

と同時に、食われてしまいたいという衝動があった
恐らく抵抗せずに身を任せれば、自分はこの化け物になるのだ
自分が斬って殺した、この牛鬼に…






「吉野師範、もう一度お願いします」

そう言って、吉野に打ち込んでくるのは、雅 夜霧という少年であった
熱心で一途な少年である

道場主である佐伯泰山(たいざん)が、夜霧に木剣にて,木に打ち込みをするように命じ、
そのまま忘れて就寝したところ、次の日の朝まで一睡もせず一心不乱に木を打ち続ける夜霧の姿があったということもある

そんな夜霧を吉野は快く思っており、容赦なく稽古をつけた
また夜霧も少年相手でも手を抜かずに稽古を付けてくれ、道場でも一番の強さと名高い吉野を尊敬していた

そんな稽古のさなか

「おい夜霧」

と、不意に声をかけるものが居た
振り返るとそこには真っ赤な顔に長い鼻の妖、天狗が居た

「わっ」

と驚く夜霧であったが、よく見ればそれはお面であった

「はっはっは、驚いたか」

お面をかぶっていたのは葉霧,夜霧の兄である
努力型の夜霧とは対照的に、天才肌の剣士でどんな技もすぐに覚えてしまう
頭もよく、物知りで、何より正義を重んじる夜霧の自慢の兄である

「吉野師範の暗魔山(くらまやま)土産だ、良いだろう」

先日まで吉野源之助は、暗魔山と呼ばれる妖怪が巣食う危険な山に修行に出ていた
そこで妖を斬って戻ってきた
夜霧もそのとき吉野が斬った鬼の角をもらっていた

「やれやれ、鴉天狗にもらった霊験あらたかな天狗の面だというのに、さっそくおもちゃだな」

吉野がそう言って笑うと、兄弟も一緒に笑う

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09/07(Sun) 14:26
ハル

723959: (ノイさんとサフィアさんのシーンは分けて書いていこうかと) ハルピュイア 2008/09/07 14:18:26 New!  

「前副団長殿も、先の遠征で戻らなかったミル殿もきっと、彼と同じだったのだと思う。
今自分に何が出来るか。何をすべきか。
それらを悟り、受け入れ、そして己の全てを懸けて果たしたんだ。
そして私もいつしか…彼らのように在りたいと思うようになった」
それは単純に、自分の命を捨ててもいいと思うことではなくて。
譲れぬ信念を貫く為、大切な人達を守る為に、持ち得る限りの全力を尽くすということ。
「ずっと考えて、考え抜いて――漸く私にも見えたんだ。
君達や家族、世界の為に自分が全てを懸けて行うことべき事が」
 723958: 王都レキナデラ・高級馬車乗り場:ノイ&サフィア ハルピュイア 2008/09/07 14:08:15 New!  

「とても逞しく、優しく…頼もしい御方だったな。
その命を燃やし、先行隊としての役割を精一杯果たした彼の最後を……私は今でも忘れられない。
悲しみの記憶としてではなく、生き様を倣うべき偉大な先人の記憶として」
ディックはそれまで名門スティラツェン家出身の騎士として頑なに生きていたサフィアにとって、戦術的にも人間的にも重要な変化を齎してくれた特別な存在だった。
今思えば、敬意だけではなく恋情も抱いていたのかも知れんなとサフィアは薄く微笑む。
尤も、今となってはその真偽を確かめる術は何も無いが……

 723957: 王都レキナデラ・高級馬車乗り場:ノイ&サフィア ハルピュイア 2008/09/07 14:07:13 New!  

28という年齢も戦士としての全盛期の真っ只中であるし、何度も見合いを勧めていた父親も度重なる説得の末に自由の風で戦い続けることを了承してくれた筈。
団を退く理由など何も無い筈なのに…何故。
「…ノイ」
暗い面持ちで俯き、認めたくないと言うように首を横に振るノイへとサフィアは優しく声をかける。
その蒼い瞳に微かに浮かんだ涙を、取り出したレースのハンカチでそっと拭ってやりながら。
「もう2年近く前になるけれど…ディック殿を覚えているか?」
徐に口を開いたサフィアが持ち出したのは、バルドカーシャの森で逝った屈強な戦士のこと。

 723956: 王都レキナデラ・高級馬車乗り場:ノイ&サフィア ハルピュイア 2008/09/07 14:06:51 New!  

しかし、今日この高級馬車乗り場を利用するのはノイではない。
或る一つの目的から、本日で団を去る決断を下した貴族の娘…サフィアだった。
「…やっぱりノイ、判らないよ。
フィアは剣の腕も良いし、経験もあるし…ちゃんと戦えるじゃない。
なにも、辞める事なんてないのに…」
揺ぎ無い彼女の決定を、ノイは未だに理解できずにいた。
勝機が見えないエルゴレアス一派との戦いに絶望した訳でも、仲間達との仲に問題が生じた訳でもない。
血の滲むような努力で培われたその実力には無論、一片の鈍りも生じていない。

 723955: 王都レキナデラ・高級馬車乗り場:ノイ&サフィア ハルピュイア 2008/09/07 14:06:18 New!  

人の行き来が多いこの季節、都民や旅人達が利用する一般馬車乗り場は毎日込み合っている。
何処を見ても、人、人、人…
ノイも外出は好きだが、あの暑苦しそうな人ごみの中に入っていかなければならない位な馬車など利用せず、近場でゆっくりしていたいと思う。

「ねぇ…やっぱり行っちゃうの?」
「――ああ。もう決めたことだからな」
一方、一般馬車乗り場の隣に位置する会員専用の高級馬車乗り場はといえば…いつも通り平穏な物だ。
利用客は会員である裕福な富豪や貴族が疎らに見られる程度で、此方ならば気持ちよく外出することができそうだった。

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09/12(Tue) 22:28
Zwanzig magier 審判会議
サノ

マギー・フールとマギー・ハングドマンがマウラ地下洞窟にて対峙した後の、外伝裏話であります。

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11/09(Thu) 10:14
紅の冒険者・駆け出し編
リビジェ

フィーネ過去編その1・続きです。

またもつらつら書かせて頂きます〜。

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01/22(Mon) 16:49
キミヲ求メテ
リーシャ

第4話(後編)です。
なんかグラムさんとアリスさんの性格が痛々しいことに・・・
申し訳ないです。

一応奴隷市場編はこれで終了です。
次の話を最終話にする予定です。

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