novel./z

□LAST TIME
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「いーちゃん、知ってる?ハロウィーンの、カボチャのお話」

「ああ、知ってるよ。おばあさんに魔法でカボチャを馬車に変えてもらって、パーティに出かけた挙げ句毒リンゴを喉につまらせて死んじゃった姫の話だろ?」

「うに〜、全然違うよ。
なんか話がごちゃごちゃになってるし。
白雪姫とシンデレラくらい区別できないと、幼稚園児に笑われるよ〜?」

「みんな筋が一緒だからかぶるんだよ。
みんなあれだろ、最後には王子様と幸せに暮らしました、ってオチじゃないか」

王子と結婚できたからと言って、幸せであるとは限らないのに。
その先も、幸せであるとは、限らないのに。
そう言うと、隣であいつはくすくす笑う。

「その意見はすっごくいーちゃんらしいけどね〜。
でもね、このカボチャ君の話は、そんなおとぎ話クラッシャーな醒めてる人間いーちゃんには、ぴったりだと思うんだよ」

「悪かったな醒めてて」

っていうかその呼称は何だ。
結構ひどいあだ名な気がする。
…いやまあ、そういう感想しかもてない僕には、ぴったりだけどさ。
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