novel./z

□思いを繋げた鎖の行方。
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◎いつもいつも、そんな風に逃げてばかりで。
 いつもいつも、立ち向かわずに。

 流されるままに、生きようとして。
 悟って生きていこうとして。

 生きていけずにもがいてるのは、誰だ?
 無様でも、生きようとしてるのは、いったい、誰だ?


▼わたしのものは、わたしのもの。
 ぼくのものは、ぼくのもの。
 欲しいものは、全部手の中にあって、
 そして、手の中に納めた。

 勝手、強欲、我が儘、…そして、支配者。

 それらの形容詞は、全部正しい。
 でもね、わたしは、
 一番に欲しいものだけは、手に入れられない。

 それは、わたしが所有した瞬間、
 ほしいものでなくなるから。

 だってわたしが欲しいのは、
 わたしのものには絶対にならない、貴方だから。

 わたしの意志に従わない、
 何をするかわからない、
 貴方のその、不確定さだから。


◇あたしのものはあたしのもの、
 世界のものも、あたしのもの。
 まあでも、見方を変えれば、
 世界に所有されてるのは、あたしの方になるんだが。

 こんなくだらない、世界だ。

 生まれたからには、
 生きていかなくちゃいけないんだったら、
 楽しい考え方の方が、いいだろう?

 終わりだって、必ずあるんだろうけどさ。
 そんなの、今には関係ない。

 不確定の未来の話?
 曖昧なビジョンで語る?
 それは、時間の無駄だろう。

 だって、そんなことしたって、退屈だ。
 違うかい?

 だからあたしは動き出す。
 好き勝手、縦横無尽に走り出す。
 命は大事に、人生は自由に。
 それが今のところの、あたしに存在する唯一のルールだ。

 
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