HERO GIRL

□私と合宿と二日目
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朝、目が覚めると――妙に頭が重かった

あれ、今何時だろう?

そして、此処は何処だっけ…?




「くすくす。蛍介ってばホント起きないのね」
「え。美怜ちゃん? なんで森永がこんなに落書きされてるの?」
「蛍介もだよ? 見てみる?」
「うわ…何これ」




知らない天井と聞こえてくる人の声に、地味子はぼんやりしていた頭を覚醒させる




「そうか…合宿中だっけ」
「地味子。起きたの?」




聞こえてきた声にゆっくりと身体を起こす
既に自分を除いた全員が起きていた

昨夜は――どうなったんだっけ?




「あー、おはよう…」
「洗面所は今誰も使ってないから、行ってきなよ」
「うん、そうする…」




寝惚け眼で洗面所へ消えていくのを見て、瑞希は自分の支度を始める

結局馬鹿騒ぎをして、全員が同じ部屋に雑魚寝となってしまった
朝起きたら、流星が傍に居たから少し驚いたけど――

って。何を思い出してるんだろう…?
幼馴染なんだから、そう言うの昔から慣れていたじゃない




「おい、瑞希」
「な、何っ?」
「俺達部屋に戻るから。騒がしくして悪かったな」




自分の幼馴染は、蛍介と森永を連れて部屋を出て行くようだ
流石に着替えるところまで、一緒にいられる訳にはいかない




「ホントよー。ゼウスさんが優しかったからよかったけどね」
「…お前、あいつに気があるのか?」
「え? そんな訳ないじゃん、何を言ってるの流星――」
「流星、もう行っちゃうの? もうちょっと一緒に居ようよー!」
「蛍介。森永、行くぞ」




唯の引き留めも虚しく、流星はそれを無視した
ちょっと可哀想だな、と蛍介は唯を不憫に思う
あと森永、早いとこその落書き落としたほうがいいよ






身支度を整えて洗面所から出ると、妙に空間が広く感じられた




「あれ、少なくなってる…」
「流星達なら部屋に戻ったよ」
「そっかー」




今日は何をするんだったかな
合宿付近を散策とラフティング――あとは…

考えて、今日も体操着に袖を通す
動きやすい服装で本当によかった
今朝は筋トレが出来なかったから、散策中にでもやろうかな




「朝ご飯行こっかー」
「賛成―!」
「地味子、支度済んだ?」
「うん」




合宿は二日目が始まろうとしていた





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