有名な住民との夢

□大島さん
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※海辺のカフカを読んで大丈夫だった方は遠慮なく閲覧されてください。
 性的な言葉が無理だと思われる方は閲覧をご遠慮ください。








「・・・・・・」

「・・・・・・・・・・?」

おかしかった。

同僚の大島は、明るいとか、活発とか、そんな性格ではない。

けれど、大体いつも微笑んでいるというか・・・とにかく、柔らかい雰囲気を持っている人物なのだ。

しかし・・・・

「・・・・」

ゴツ・・・。

カウンターにもたれた。

こんな大島ははじめてだ。

「・・・・恋の悩み?」

傍で「古今和歌集もどき」といういかにも「?」な本を読んでいたショコラは、大島にそう聞いた。

「・・・いや、違う・・・」

重い声だ。

大島にしては珍しい。

「そこまで落ち込む大島さん見るの初めて。もしかして生理でもきたの?」

大島は、生理がきたことがないらしい。

うらやましいやつだ。

「違う・・・」

「ちっ・・・全力で赤飯炊いて祝おうと思ったのに」

「祝福?」

「同じ女なのになんであんただけ生理ないのよボケ、という思いから解放される記念もあわせてあるよ」

「・・・・とにかく・・・違う」

「いい加減話さないと財布盗るよ」

「・・・・脅しとは思えない・・・・」

「本気だもん」

「・・・まぁ・・・話すつもりだったよ。今日ここに泊まれる?」

「バッチぐー」

こうして、二人のお泊り会が開かれた。
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