□藤色の恋
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神子殿…。私をこんなに夢中にさせて、なんて罪深い人なのだろうね。


そうだね…少し共にいるとしよう。


互いを深く、知る事ができるまで……。








〜藤色の恋〜






『友雅さん??今日はどこに向かっているんですか?』

『神子殿、そんな無粋な事を聞くものではないよ。』

『でも…、藤姫にも行き先を言わずに出て来てしまったから、きっと心配してますよ?』

『大丈夫。藤姫には私から、今日一日、神子殿をお借りする…と言ってあるからね。』

『そう…ですか。』

『神子、時の流れるままに身を任せてごらん?』

『時の流れに……ですか?(何かそんな歌があったような気がするなぁ。)』

『そう……目を閉じ、風の声を聞き取るのだよ。その囁きはまるで私の愛する女性達そのもの。』

『…………そうですか。』


何故そんなに悲し顔を見せるのか……。
私は今、こうして君の隣にいると言うのに。


同じ時を重ねるごとに、私の中で君の存在が遙かに大きくなっているのがわかる。


 
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