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□マーモンとベル
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「バレンタイン?」
マーモンの言葉をそのままなぞる。あれ、知らないの、と返され微かに含まれたこちらを馬鹿にするニュアンスにむか。
「お菓子業界が広めたイベントで、女が男にお菓子渡す日なんだよ」
「へぇ、 」
「で、貰った人は1ヶ月後にお返しを送るんだ」
「メンドいなそれ」
言うと、そうだねと素直に頷く。
「という訳で、はいこれ」
「・・・え、俺にくれんの?」
「この状況で他に何があるの」
へー。めっずらし・・・。
「じゃ、有り難く受け取っとくよ。サンキューマーモン」
ぽんぽんと片手で渡された箱を弄びながら部屋を出て行こうとした所で、あ、そうそう、背後から声。
「日本じゃ、男が女に何か貰ったら3倍返しが常識らしいよ」
あれ、それが目的なワケ?
「ふーん。別にそんなのカンケーないね、だって俺王子だもん」
ていうか俺イタリア人だしぃ? つか、マーモン男じゃん。振り返って笑う。マーモンの口がきゅ、と引き結ばれた。
「・・・時間も金も無駄にしたよ。ボクは帰らせて貰うから」
すぐさま顔を逸らし俺の横をすり抜け部屋を出て行ったマーモンを見送って、ししっ、また笑う。
1ヶ月後? 3倍? そんなの関係ないね。
明日にでも明後日にでも、10倍でも20倍でも、好きなだけ返してあげるっての。
だって、俺は王子だかんね。
愛のスケールは規格外
+
ベルマモ。
ベルはマモたんの性別勘違いしてますが、性別関係なくマモたんが好きです。
マモたんは実はまだラルさんにも未練たらたらです。