遊戯王

□Last Wish
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 消える。

 実感も痛みもないそれは純粋な畏怖だ。
 だって今度も全てが戻る保証なんてどこにも。

 俺が、
 この声、
 色、
 形、
 熱、
 想い、も?

 いつの間に落としてしまったんだろう。
 俺は、そう俺は孤独何かじゃなかった筈。
 誰か、いた筈だとても大切な誰か達。

( 十代・・・ )

 お前だけは、忘れないだろう?
 俺も、
 お前も、

 だってお前は『特別』だ。
 俺の、
 世界の、
 たとえ俺がお前にとってそうでなくても。

 いや、お前に関わる全てはもう特別なのか。

 ようやく。
 そうようやくだ。
 終わるのだろう長かったこれが。

 その時に今度こそ俺が帰って来られるかどうかは分からない。
 もし帰って来なければお前は忘れてしまうだろうか。
 でも、どの道そう遠くない未来、お前は俺を手放すだろう?

 俺達はようやく自由になるんだ。
 俺から。
 お前から。

 互いにとって今執着という枷になってしまっているそれを。
 俺にとってはそれだけではないのだけれど。

 お前に出会って俺は本当に沢山のものを得た。
 それは欲したものばかりではなかったし決して得て良かったと思うものばかりでもない。
 それでも、お前に出会わなければ知りもしなかっただろうそれらを、
 俺は今確かに少しずつ手放しながらそれでも手にしている。

 なのに、それは失われようとしている。
 俺が消えることで。
 この世界を離れることで。

 いつか、十代に忘れ去られることで。

 ひゅうと、喉が鳴った。
 師匠だけでいい。間に合え馬鹿。
 他の皆(皆って誰だろう)も救えるものなら、切実に。
 だから、早く。

(・・・馬鹿野郎)
 あ、ぁ、文字通り声にならない。

 たったひとつだ。
 もし、たったひとつだけ叶うなら、

 どうか、消えないで。
 俺の全部引き換えでも構わないから、
 俺のこの気持ちだけ。
 どうか。

 どうか、


 本腰入れて消失話。
 じょめは忘れられるのは怖くないけど忘れるのは怖いのです。
 だってどうせ十代は直ぐに俺なんて忘れてしまうだろうって思ってるから。
 私が十代信者なのでそうじゃない人が見たら兄貴ただの酷い人なんだろうなぁ。
 兄貴はじょめの思った通りの人でもいいし、じょめがこう思ってるだけでちゃんとじょめのこと好きでもいい。

07 願いを叶えてくれるのなら (Short message)

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