遊戯王

□可愛い合戦
1ページ/1ページ

「藤原、隣いい?」
「あ、吹雪ー。いいよ。どうぞ」
 昼食の時間。隣は空席。目の前には当面最愛の片恋相手。
 当然断る筈もない。恭しく椅子を引いて見せると、吹雪は笑ってそこへ座った。

「・・・何?」

 座ったはいいが、食事に手を付けるでもなくじっとこちらを見ている吹雪に、いい加減不信感を覚える。
「藤原は可愛いね」
「そーぉ?」
 何を言い出すかと思えば。

「亮も可愛いけど。・・・勿論明日香の次にね」
 このシスコンめ。
「明日香さんって人は知らないけど、俺は丸藤より吹雪の方が可愛いと思うよ?」
 ・・・と、そう言えば、

「丸藤は?」
「亮なら購買にカード買いに行ったよ」
「珍しい・・・」
「そう? 亮はカード入荷する日は大体行ってるけど」
「お前と一緒じゃないのが珍しい」
「あぁ、」
 僕はお腹空いて動けないから今回はパス。
 吹雪はへらっと笑った。

「君こそ行かないの?」
「俺知らなかったもん。それに今日入るって言っても新シリーズじゃないんだろ?」
「だったら流石に話題になってるし、いくら僕でもこんな所でのんびりしてないよ」
 そりゃそうだ。

「じゃあいい。俺、人ごみって苦手。っていうか嫌いだから」
「あはは、亮と一緒だ」
 その笑顔に含みを感じて眉間に皺を寄せる。
「なら丸藤も無理に行くことないのに」
「ねー」
 昼休み終わっちゃうよ。
「・・・」

 もしかして、

「吹雪さぁ」
「ん?」
「『ついでに僕の分も買って来てー』とか言わなかった?」
「・・・よく分かるね」

 それか。
 あいつは割と自分勝手だけど、吹雪の頼みを見てない所で断ったり出来ない奴だ。
 何か言う気も失せて、冷めかけたミルクティーをスプーンで無意味にかき回す。

 と、視界に数パックのカードが映った。

「あ、りょーおー」
「買って来てやったぞ」
 ようやく帰って来たらしい。気疲れの色が見える。
 普段よりやや緩慢な動作で吹雪の向かいの席に着いた。

「お疲れー」
 一応笑顔を向けることにする。
「ほら、」
「へ?」
「お前の分だ」
 吹雪と同じパックを同じ数手渡されて。

「あー・・・、うん。ありがとう」
 ・・・今、俺手持ちあったかな。

「やっぱり僕なんかより亮の方が可愛いでしょ?」
 勝ち誇ったような表情の吹雪。
 当の丸藤は可愛い呼ばわりされたことが癇に障ったのか、俺と吹雪が話をしていたのが気に食わないのか、一気に不機嫌な表情になる。

 ・・・分かりやすい。

「あぁ、まぁ可愛いかもね」
 でも、
「やっぱり吹雪の方が可愛いよ」
 少し驚いた様子の二人を残して、俺はトレーを持って席を立った。

 丁度いい。このままカード代は踏み倒そう。


 藤原→吹亮。何回間違えて『めかぶ』と打ち込んだことか・・・!(重傷)
 こういう不毛な会話を私は「可愛い合戦」と呼んでいます(どうでもいい)
 えーと、捏造もいい所ですが天才組1年時。絶対近寄りがたい。
 めかぶの口調適当。「丸藤」と呼ばせたのは希望です。そんくらい仲悪かったらいいなと思って。
 ていうかこいつら書くの楽し過ぎるんですけど・・・!

ご機嫌45度くらい斜め

[戻る]
[TOPへ]

[しおり]






カスタマイズ