短編夢

□拍手夢たち
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会前に、

「ねぇ、越前君!」
「…何?」


あんたか、みたいな目線を送られるがそれはシカトして、
言いたいコトだけ伝えに駆け寄った。

「また勝ったんだって?おめでとっ!」

自分に出来る最高の笑顔で言ってみる。
試合は多分見に行けない。呼ばれたわけじゃないもん。

ありがと、ってらしくない言葉がボソッと返ってきた。
てっきり、当然でしょ、そんな言葉が来ると思ってたのに。


「…あ!これ、お祝い!」
「いちいち煩…小さい。」

手のひらに乗せた、小さな包み。
飴を一個だけだもん。そりゃ小さいよ?

「全国行ったらでっかいのあげるよ」

くすくす笑いながら、包みを渡した。
気に食わないようで、文句を言いそうな顔。
あ、もう言ってたな、小さいって。

「…じゃあ応援、しに来てよ。」
「…へ?」
「嫌ならいい。」

意外な言葉、彼女でもないのに行っても良いの?思わず訊いた。

「良いも悪いもないでしょ。じゃ。」


くるりと身を返し、また向こうに歩く彼。


「絶対、行くからー!」
軽く手を振る、嬉しい、どうしよう!
行くっきゃない。大好きな越前君を応援しに。






…。

しばらく歩いて包みを開く。
中には小さな飴。しかも…

特濃ミルク味

「…にゃろう。」

〜2010/01/21
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