迷い込んでしまったのですね
□言わないで
1ページ/1ページ
いつもと同じ様に届く朝6時のモーニングメール。
本文の最後には毎日様に記されている、「今日も同じ所で、」の文字。
このやりとりは私たちの日課だった。
今日も空は晴れていて、いつもと何も、変わらない。
はず、だった。
そんないつものことが終わりを向かえたのは、いつもの様にきれいな夕焼けが空を支配する時だった。
それはあまりにも唐突で、
あまりにも衝撃的で。
彼の口から紡ぎ出された言葉に私は理解することを一瞬忘れたのだが、私の体のどこかでその言葉を覚えいたらしくじわりじわりと湧きあがってくる悲しみによって現実に戻されたのだ。
そして何ともいえない顔をした彼は水滴を一粒ごぼし最後にこう付け足した。
ごめんね
(そんなこと言われたら許すほか、ないじゃない)