ガンダム00


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太平洋上。
軍の船に帰還したシルクたち。
シルクはいまだ、あのタクラマカン砂漠での襲撃を忘れてはいなかった。

「与えられたミッションを失敗した上、優秀なフラッグファイターを3人も死なせてしまった……。隊長失格だな、私は」

酷く暗い声で言うグラハムに、シルクはそっとそちらへ顔を向けた。
なにもショックを受けているのはシルクだけではなかった。

「仕方ありません。新型のガンダムが出てくるなんて予想もしていませんでした」
「それに、軍上層部だってそのことはきっと分かっています」

ハワードが仕方のないことだと、グラハムを気遣いながら言う台詞に乗せて、シルクもグラハムのせいではないと顔を上げて言う。
だがそれでもつむっている目を開けようとしないグラハム。
責任感が強い彼にとって、今回起きた出来事は自分を責めるには十分な理由になっていた。

「そもそも性能が違い過ぎるんです。せめてガンダムと同性能の機体があれば――」
「フラッグは我が軍の最新鋭機だぞ」
「分かっている。しかし…」
「ダリル、俺たちはフラッグファイターだ。教示を見せろよ」

ハワードとダリルの間に立っているシルクは、
その2人の間にいい雰囲気が流れていないことを敏感に察しその場を過ごす。
この場合誰かが間に入って彼らを止めるか、静かにおさまるのを待つかして対処する方法はあるのかもしれないが、生憎シルクにはそのどちらもすることができなかった。

シルクは、ハワードとダリルの言っていることはどちらも正しい意見だと思うのだ。
だが結果として今回何時間もの時間をかけて、そして200名以上もの死者を出したにも関わらずガンダムを鹵獲することができなかった。
ソレスタルビーイングやガンダム、そのどちらも今の自分たちにはその差を縮めることはできない。

ハワードとダリルの両者を見合い、シルクは困ったようにグラハムに顔を向けた。
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