ガンダム00
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ついこの間のこと。
長い廊下を歩きながら、シルクはここまでにいたった経緯を思い出した。
それはシルクのもとに対ガンダム調査隊に移動の話が来たのが始まり。
ユニオンでは、MSWADをはじめとした精鋭部隊への配備が優先される。フラッグのパイロットはフラッグファイターと、内外から様々な意をこめられて呼ばれていた。
そんな部隊に移動命令がくだされ、シルクは天にものぼるような思いだった。
しかも、前から憧れていたあのグラハム・エーカー中尉にも会える。
高潮する思いを押さえるのに精一杯だ。
「失礼します」
目的の部屋の前に辿り着いたシルクはノックをして中からの返事を待つ。
すると遅れて返事が返ってきたことにシルクの心臓は更なる緊張感で高鳴った。
「どうぞ」
そして返ってきた声がシルクの想像していたものよりも意外と優しいことに驚いた。
対ガンダム調査隊ということだからもっとすごいことを想像していたのだが……。シルクの予想は呆気なく終わった。
部屋に入れば、眼鏡をかけたポニーテールの人と目があう。
何故かその人はシルクを見て目を見開いた。
(なんだろう……?)
疑問に思いながら、シルクは目の前に現れた人物を見て体を固まらせた。
姿を見せたのは憧れのグラハム・エーカー。その人だ。
ユニオンのエースパイロットということだが、はからずともシルクにはビシビシとオーラを感じる。
「シルク・クロント准尉、要請により対ガンダム調査隊へ着任しました」
「よくきてくれた」
グラハムにむかって敬礼をする。目の前にいたグラハムも同じように敬礼をとった。
そしてシルクたちは一通りの挨拶をすませ、グラハムによって先程目が合った人物への紹介に移った。
「カタギリ、彼女が今度着任してきたシルク・クロント准尉だ」
「はじめまして」
「はじめまして。僕は技術顧問をしているビリー・カタギリだよ。よろしく」
「はい。よろしくお願いします」
差し出されてきた手に答えるように、シルクも答えるように右手を差し出し握手を交わした。