閉じた数学概論の本の脇に、無造作にグラスが置かれていた。
グラスの中では飲み干してくれるはずの主を待ちきれず、ロックアイスが序々に融解し、カランと自然に音を立てて沈んだ。
私はいつになく思索に暮れて、まんじりと眠れぬ夜を過ごしている。
原因は何だ…?
彼女か…?
その感情はどこにもやり場を失くし、完全なる理想を求めて生きてきた自分の教師像さえ危うくさせようとしていた。
何だというのだ?何にそんなに一生懸命に恋焦がれて…私を追う?全身でぶつかってくる?そんなことをしたことで、私の気持ちは決して揺らいだりしない…。
しないはずだ。
しないはずだった。いつもまっすぐに見つめてくる彼女に対して、とうとう自分は膝を折ろうとしている。その彼女の愛を受け入れ、自分の心のなかに埋め込もうとしている。
足りないパズルの一片…それが彼女の存在。
愛しくてたまらなくなる。壊れるくらいかき抱いて、自分のなかに生まれた熱情をぶつけてみたくなる。
今まで想像すらしなかった。我が身がこんなに衝動的で、もろくて、悲しい存在だったことを。
彼女に…
明日、彼女に会ったら一番最初にこう言おう…。
「認めよう、私は君の虜になったようだ…」と。
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皆様、こんにちは。びあんかです。
おそらく、どうして私がこんなにも「氷室零一」にこだわって小説の真似事なんてやりはじめたんだろう?と思われたのではないでしょうか?
うーん、何ででしょう?(笑)私自身もよくわかりません。
ただ、二次元の世界の人間を、実はよく探したら隣町に住んでいそうな人だった…というくらいリアルに近づけさせる作業が好きなんです。(悪く言えば、妄想か??)
だからGSをゲームでやったことのない方でも、氷室先生がどんなカンジなのか…?って想像しやすくなってくれたら…私は本望ですねw
願わくばいろんな可能性を秘めた人であって欲しいです、彼には。
だって…主人公にとっては「王子様」ですからね…。
びあんか