お相手*夜神月
「むかつく」
「え?」
「ほら、その余裕綽々な面が」
「面とか言うなよ」
「あなたにはピッタリよ」
「なんでそんなカリカリしてるんだい」
「理由なんてないわ」
「嘘はよくない」
「生きてるのに疲れたんだもん」
「やっぱり嘘だった」
「ごめんー」
「心ないなぁ…。それで?何故疲れたんだい?」
「だって明日死んじゃうかもしれないのにちゃんとご飯食べて歩いて勉強してお風呂入って電車乗って夜の営みさせられて…」
「おいおいなんだ最後の」
「ん?」
「…続けてくれ」
「だからさ、意味ない気がするじゃん」
「そんなことはないだろ」
「えぇ?月なら絶対同意してくれると思ったのに」
「何故?」
「窮屈なリアリストだから」
「たしかに僕はリアリストだけどね」
「明日世界が終わるとしたらどうする?って聞いても、不毛だ。考える意味がない。とか言われそうだもん」
「なにそれ、物真似したつもり?」
「そっくりでしょ?」
「…まぁいいさ。しかも意外にそう答えるわけでもないさ」
「嘘はよくない」
「試してみるかい?」
「………。
明日大災害が起きて世界で2人だけになったらどうする?」
「それでもいいよ。
それでもいいくらい愛してる」
「別に嬉しくないわよ」
「嘘はよくない」
END