愛の栞
□愛の栞
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『ジリジリジリ…』
目覚まし時計の鳴る音がする
「眠い」
俺は『神崎 薫』健全な高校生だ
なのになんでこんな仕打ちが…
時計を見ると…AM09:45
「遅刻だぁぁぁ」
飛び起きて制服に着替え階段を降りるとそこに母さんがいた
『神崎 真穂』今は専業主婦だか昔はバリバリの弁護士だったらしい
「あら薫さんおはようございます
どうしたのですかそんなに慌てて」
うちの母さんは抜けている…
間違いない
この時間にこんな事言う親がいるか?
「ってそんな事言ってる場合じゃねぇ
母さんどいてくれまだ三校時には間に合うはずだぁぁぁ」
「あら薫さん今日から夏休みですよ?
もしかしてお母さまに言えないお出かけですか?
それならばお母さまは止めはしませんが…」
そうだ…今日から夏休みだった
「なんか損した」
そんな独り言をいっている内に母さんは台所で朝飯の料理を始めていた
「薫さん食べるなら座って下さい
昇さんもいらして下さい」
『神崎 昇』俺の父親だ
元検事で今は国会議員だが俺から見ればただのおやじだ
「はいよ母さん今行くよ」
俺はこんな家族に属している