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□眼鏡の教え
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…………。
どうしよう、私と正ちゃんとスクアーロ以外に誰もいなくなっちゃった。
ていうかみんなどんだけ貪欲なんだ。






「う゛ぉおおぉおい!こりゃどういうことだ!」


『とりあえずみんな貪欲ってことがわかったよ私は。』


「ちょっとちょっと、明後日の方向みないでよ。」




正ちゃん、明後日の方向も見たくなるって……





『とりあえず…どうする?』



「どうするって言われてもなあ…」



「とりあえず、職員室に行って誰か変わりの先生でも呼んでこよう。」



「『なんだと!?』」






正ちゃんが考えを口に出した瞬間、私とスクアーロは首が千切れるんじゃないかってスピードで正ちゃんを見た。





「え?何?僕なにか間違ったこと言った?」


『ハァ、これだから眼鏡の優等生は…ね、スクアーロ』


「ああ、正直入江、お前には失望したぜぇ…」


「なんで僕正論を言っただけで失望されるの!?」




ボーイボーイ、そりゃ君が言ってることが正論だって馬鹿な私でもわかるさ。
しかしね、折角先生がいなくなったんだよ。
普通の学生は、こんなときくらい自習という名のサボりをしたいと思わないか?




「別に自習じゃなくてもサボってるじゃん。」

『うっ……』



正ちゃんに痛いところを突っ込まれ、必死にスクアーロにアイコンタクト。




『………』


「………っ!」




……この野郎ォォオオオオ!視線を逸らしやがった!
そうかそうか別にいいよ!もう宿題忘れたって見せてやらないし
お腹が痛いときに薬もあげないし、ザンザスからも庇ってやらないもんね!

そんな思いをこめてスクアーロをずっと見つめていると…




「…入江、こいつは確かによくサボってるがサボりたくてサボってるわけじゃないんだ。」


「スクアーロくん、そんな嘘は僕には通じないよ。」


「嘘じゃねえ、こいつがサボるときはな……雲雀が教室に来てるときなんだ。」


「……え?」


「こいつは昔、雲雀頭突きしちまってそれ以来ずっと雲雀から逃げてるんだ。」




ス…スクアーロナイスー!
でも8割りが嘘だな…確かに雲雀さんに昔頭突きして逃げてるけど…
正ちゃんならすぐ嘘だってわかりそう…





「そうだったのか…」


「ああ。」




あっさり信じたー!
正ちゃん?貴方どうしたの?
いつもの無駄に働く勘はどうしたの?今日は調子悪いの?




「なら、今日くらい安心してサボりたいよね。」


『あ…は、はい。』


「なら先生を呼びにいくのはやめにするよ。」


『しょ…正一様ー!」





もう今なら普段毒舌野郎(私限定)の正ちゃんも天使に見える!
もう今日は最高の日だね!ラッキー!






「だけど…」



「『へ?』」



「やっぱりサボるのはいけないと思うんだ。」



「『ええ!?』」







「だから成績が悪い2人には僕がじっくり勉強を教えてあげるよ。」









眼鏡の教え


連載番外編(5.5話)
過去拍手でした。
タイトル変更(09.08.27)



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