雲雀さん

□白い何か、君の何か
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斑雪。



せっかくせっかく
京子ちゃんに


無理言ったのに

せっかく

………………プレゼントも用意…



してないけどさ!!

してないけど色々したいこと考えてたのにさ!!





何なのあの言い方……



何が他の男触った手で触らないでさ


何が

どうせ二人きりだったんでしょう?何したかしらないけど、さ



どれだけ信用無いの…


あんな人間とクリスマス過ごすなら一人がいい

と言うわけで帰ってきました。二度と会ってやんないから




     がちゃり

と扉を開けられた先に居たのは。

「えぇ?!」
「何これ、本当に鍵?」
「なっ…なんで…」

「風紀委員会の仕事」

「こんな時に…」

「って言って上がらせてもらえたよ」

「不法侵入で訴えます…」

「君なんかに法は存在するのかな…」

「あぁ…もう…帰って下」

「嫌だよ」


雲雀恭弥だった。



気付いたら私に見えるのは部屋に貼ってあるカレンダーだけで

少し目を横にするとあなただった



「…………ごめん、」




何がごめんよ

クリスマスの意味知らないからこんな雰囲気でそんなこと言えるんだよ

馬鹿なんじゃないですか?


……なんて言えたら苦労しない


体と考えは裏腹みたいだ




彼が入ってきた時の冷気の所為か、

私の体温の低さかで


私の頬には冷たい跡が残っている気がした









二回

歩いたその道は

一回歩くより冷たくて


でも暖かくて

歩きにくくて

歩きにくいのはこの時間の所為で


真実はあなたに歩幅を合わせているからで

おかげで靴に入り込んできて

でも

気付く筈が無いようで


あなたに飲み込まれていくの

あなたを飲み込んでいくの

こんな素敵な

素敵な夜は

空から光が

空から星が

空から雪が挨拶してくれる


挨拶し返そうと空を仰いだら

あなたが先に見えてきて

あなたの所為で空が見えなくなった

あなたの所為で星が

光が

舞い落ちるどよめきも


見えなくなった





あなたに落ちてきたものは何だったでしょう



あなたに語りかけてきたものは何だったでしょう


あなたに…………






あなたに………






言いたいことがある

って言ったら

どう思うかしら


ねぇ、


どうして横を向いているの?

どうして目を逸らすの?





どうしてそんなに

…俯いてるの?



寒いから?



じゃあ、また空を邪魔してよ




きっと私もあなたと同じになれるから




あなたが





いれば



いい、




と、


思う自分はどうかしてる?




すき、



すき、




「大好きです。 」




 

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