獄寺君
□茜色の大空に全ての栄光を
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深夜1時。
倒れそうになるくらい聴いたロックも
気がおかしくなるんじゃないかってくらい読み漁った雑誌も
冷たすぎる風が吹き込んでくる全開の窓も
全てを
、
毎日の日課と化している深夜シャワーなるものにぶち込んだ
いや、正確にはぶち込んではいないが。
常に俺は最先端をいきたい。なんて戯言は数ヵ月前までで、
今は楽しければいい
と思うようになった
窓を全開にしていた所為で体が冷えていた
から
浴室の床が特に冷たく感じなかった
水温は39℃の設定
水の流れは清らかで、
潔くて、
透明の水滴が体にまとわりついた
時折、白いふわふわした空気のようなものもまとわりついたり。
でも美しい水滴が洗い流す
暗い穴に流れ込んだと思ったら上から流れ出てくる
ただ其だけの繰り返し
繰り返して繰り返して更にまとわりつく
でも
様々なものも
、流し続ける
それは
1人にとっては
1日の疲れただったり
でも
1人にとっては
ただの水にしか見えなくて、
ただの水にしか見えないのに、
洗いざらい、全てを流し出す
目から溢れ出す
水
に
似
た
水
で
も
いっそ今ある水のように暗い暗い底に流して欲しいと願う
水の様に美しくなるつもりは無くて、
同時に個性も無くす様な気も する
どうすればいいなんて
訊かない
水が教えてくれる