小説(・ω・)

□テストで馬鹿騒ぎ
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「グラハムさん、今日も来てないの?」
ジャグジーが、シャフトに話し掛ける。最近学校で見掛けなくなったグラハムを気遣って。
シャフトは申し訳なさそうにこたえる。
「ああ、グラハムさんは愛用のレンチを壊したいとか言い出して結構前から浜名湖に──」
そう言った時、何故かシャフトの背後からグラハムが現われた。シャフトは驚いて身を引く。
「悲しい…悲しい話をしよう…シャフトが退学する話だ…」
グラハムのこんな言葉にも、シャフトは冷静に応じる。
「いや、グラハムさんの方が全然危ないじゃないですか」
殴られることも覚悟した言葉だったのだがいくら待っても衝撃は来ない。代わりにグラハムの言葉が耳に届く。
「ああ…少し納得してしまった俺はどんな話をすればいい…悲しい話か?悲しい話なのか!?」
「黙ればいいと思いますよ」
「そうか…」
いつも以上にテンションの低いグラハムにシャフトは軽く引く。
「なんでそこまで納得しちゃうんですか気持ち悪い。ほら、ジャグジーが心配してましたよ。グラハムさんの頭ぐはッ」
グラハムから今更鋭く三角定規が飛んできて、シャフトの見事に額にささる。
「ああジャグジー。悪いな心配させて」
「あ、いや、それよりグラハムさん、えと、本気で勉強、大丈夫ですか?」
一瞬の沈黙。
「まあ、アレだ、何とかなるだろ」
「いやグラハムさん前回のテストそれで駄目だったでしょう。前日にニコ動みてたって聞きましたし」
三角定規のダメージから回復したらしいシャフトが何とか突っ込む。
「そもそもこの学ランが悪いとは思わないか?黒い…ただひたすらに黒い…集中力がもつはずがない」
「意味わかりませんよ。それにグラハムさんの場合はそれ以前の問題じゃないですか。テスト中も授業中もずっと寝て」
「それで。ジャグジーは何の用なんだ?」
シャフトをあからさまに無視して、グラハムはジャグジーに話し掛ける。
ジャグジーは突然話を振られて驚いた様子をみせたが、どうにか誘ってみせる。
「あの、一緒に勉強しませんか?」
「ああ、俺に勉強を教えてほしいというのか?俺は別に構わないが、」
「誰もそんなこと言ってませんから…っていうか一生有り得ませんから安心して下さい」
シャフトは何かされる前にとジャグジーに何か話すように勧める。
「あ、フィーロさんの家の近くの町内会の集会所で勉強会しようって話になって…人数多い方がはかどりますし…一緒に…。ラックさんとかも誘って…教えてもらおうと思ってるんです」
「おお…楽しい…楽しい話をしよう」
「もういいですから」
グラハムの言葉が長くなるような気がしたシャフトは何とか話を止める。そこで、ニースがジャグジーを呼びにきた。
「ジャグジー、そろそろみんな行くって。グラハムさん達も?」
「う、うん。行くって」
というわけで、一行は集会所へ向かった。
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