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□離してなんかあげない
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『冬獅郎、お昼行こう』
「あー…」
私が話し掛けても上の空。
それ程までにあの娘(こ)が気になる?
ねぇ、今貴方が付き合ってるのは誰?
私でしょう??
…なら私を見てよ。
『…冬獅郎』
どうせ…
聞こえてないんでしょう??
『知ってるのよ…私』
だから私も、業と貴方に聞こえない様な声で言ってあげる。
『私より…あの娘の方が大事でしょう?』
知ってるわ。
『でも…私からは別れてあげないわよ…』
貴方は優しいから
自分から別れを告げたりなんかできない。
狡い女でしょう…?
全部わかってて、
貴方を縛ってるの…。
最低よね。
でもね。私もそこまでいい女じゃないのよ?
自分の愛してる男が、他の女のトコロへ行くのを自分から後押しする様な真似…、私はしたくない。
同情と罪悪感だけで私を突き放せない弱い男の背中なんか、押してたまるモンですか。
貴方から私に別れを告げない限り…
私は貴方を
離してなんかあげない
(でも本当は貴方の優しさに付け込む弱い女なのよ…)
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…微妙に悲恋と言う事で…、一応初悲恋として掲載させていただきましたm(_ _)m;
…冬獅郎、あんま出て来なかったのに…。
"あの娘"の名前を出さなかったのは管理人の気持ちの問題です(コラ)
2008.08.15