Writing
□短め置き場。
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彼は、ナミダを流さない。
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さなぎ
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「…ゆの、好きだよ。」
「…」
「ゆのがさ、どんな風だってすきなんだ」
「…うん」
「ペンだってっ…踊れなくったってっ…
ぅっ…ゆののことっ…ふ、っ…」
そっと、手折られた羽に触れるように。
「…泣くな、ジェジュンっ…泣くなよ」
そのしなやかな部分に、そしてユノの頬に触れる。
「…っ、ゆの」
「お前が泣いたらっ…」
「泣かないで」
「…え」
「泣かないで、ゆのっ…」
ジェジュンの白い指が、ユノの乾いた頬に触れる。
少しユノの目が見開かれ、乾いた笑いが漏れた。
「な、ん…、泣いて、なんか…」
ふわり、とジェジュンの甘いかおりが鼻を霞め、優しくユノを包み込んで。
「ジェジュ、」
嗚咽と共に、ユノの首にしがみつくジェジュンの腕に力がこもる。
「泣かないで…ゆの」
「…ぅっ…っ、」
ジェジュンの優しい制止に、ユノの目蓋が熱くなり。
泣かないで、と言っていたジェジュンの声がいつのまにか聞こえなくなると、ふたりだけの部屋には、ユノの小さな嗚咽だけが響く。
ジェジュンは子供をあやすようにユノの背中を優しくたたき、ユノはジェジュンの肩をぐっしょりと濡らした。
「…ゆの、俺には見えるんだ…」
それはきっと近い未来。
「ゆのが、元気になって、おもいっきりダンスしてるのが」
鮮やかにその羽を広げて。
「ゆの、怪我が治ったあとさ…すごいパフォーマンスしてたよ」
ジェジュンは未来を過去にして、ユノの目蓋にキスをする。
「…ゆの、」
「…うん…」
ジェジュンが言うなら、信じられるよ。
そう声を絞りだして。
少し腫れたジェジュンの目蓋にキスをしたユノは、涙を落としていたけれど、もう、泣いてはいなかった。
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携帯で、初めて書いてみました。
ユノが、早く元気になると良いな。