白色{輝き
□プロローグ
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─タッタッタ…
ある日の夕方
エデンの街に飛ぶように走る
1人の少年<レイ・トワイド>の姿があった
両手に大きな紙袋を抱え
中にはたくさんの食べ物が入っていた
「はやく帰らねぇと‥」
買い出しを頼まれ街まで来たけど
時間がかかりすぎたな…
きっとみんなに怒鳴られるだろう
そんなことを考え
近道を探し細い路地裏に滑り込んだ
ゴミ箱や段ボールが並んでいる間をすり抜けて走る
数匹の猫は驚きどこかに姿を消していった。
そんな中前方の段ボールの影に猫ではない何かが目についた
少しずつスピードを落とし
段ボールの手前で足を止める
近づいてわかったが
その何かは人の足だった
恐る恐る影を覗く
するとそこにいたのは
幼い少女だった
金髪の長い髪は
ゆるいウェーブがかっていて
長いまつ毛に白い肌、薄ピンクの唇
白いワンピースからのぞく細い手足
等身大の人形のような少女を見て
レイは動けずにいた
幼いがどこか大人びた雰囲気の容姿に見惚れていたのもあるが
主な理由は少女の白い肌に多数ある痣や傷、血の跡に驚いたからだった
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