‡SECRET GARDEN‡
□Dearest My Half…
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どうして君は俺の『妹』で、どうして俺は君の『兄』なんだろう。
誰よりも近い存在でありながらも禁忌の想いを抱いた俺の苦悩なんて、誰も分かりやしない。
正真正銘双子の妹である君に抱くこの想いが、いかに間違っていて…許されるものではないって事も誰よりも理解している。
それでもこの想いは消す事が出来ず、君への気持ちは募るばかり。
消す事も、捨てる事も出来ないなら……
* * * *
「おい、カガリ!」
何度ノックしても返事の返って来ない妹のカガリに我慢が出来なくなったアスランは、ついにカガリの部屋の扉を開けた。何だかんだで互いの部屋を一日に一回は行き来する二人に、兄妹とはいえ異性の部屋に無断で入るという何となく感じる遠慮など微塵もなく、アスランは戸惑いなくカガリの部屋へ足を踏み入れた。
「…って、おい」
アスランの視線の先には、初夏の暑さに負けたのかタンクトップとショーツという薄着で気持ち良さ気に眠るカガリの姿があった。窓を開けた状態で夜空に溶けて行こうとする橙の細い光がカガリを照らし、アスランは眩しげに目を細める。
だが、窓から入る風に冷たいものを感じ風邪を引かせてしまうといけないと、窓とカーテンを閉める。そして外界と切り離されたカガリの部屋には薄暗い闇が舞い降りた。
「…カガリ」
今日も研究所に泊り込むと連絡を寄越して来た両親に代わり夕飯を作ったというのに、それをねだった相手はすやすやと夢の中だった。高校生になったばかりだと言うのに、子供体質が抜けないカガリは一度寝てしまうと、名前を呼んでも身体を揺すっても余程の事がない限り眠りから覚めない。
それを良く熟知している兄であるアスランは、やれやれとばかりに溜息を付いてカガリが身を横たえるベッドに腰を下ろした。
「……にしても…この格好はないだろう」
眼下に映るのは、ほとんど肌を露にしているしどけないカガリの寝姿。ちらりとタンクトップの隙間から見える白い膨らみにアスランの鼓動がドクンッと大きく音を立てた。
「っつ!」
本能と直結した襲い来る欲求に抗おうと拳に力を込めるが、震えるその手はついに無防備に晒された少女の肢体へと伸びて行った。
―駄目だ!カガリは俺の血の繋がった妹なんだ!!
自分が今まで必死に抑えてきた黒い欲望に侵食されていく頭の片隅で、残った理性が警告を発したが……それも今のアスランを止める事は出来なかった。
―物心付いた時からカガリだけを見てきたんだ…
―カガリだけを…欲しいと願って来たんだ…
―もう…限界なんだ…カガリ…君に触れたい…。
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