‡SECRET GARDEN‡
□禁断の蜜色 前編
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毎朝乗る通学電車の中は朝のラッシュ時と見事に重なって、彼の気を憂鬱にさせるものだった。
この日もギュウギュウに押し込められた車内の中で、彼、シン・アスカはその紅い瞳を不機嫌そうに細めて、ひたすら自分の降りる駅に到着するのを待っていた。
シンはオーブ高校の3年生で、生活態度は別として、成績は優秀な生徒であった。
気をまぎらわそうと頭の中で昨夜覚えた英単語を並べていると、車内が急激なカーブのせいで大きく揺れ、最初にいた場所より更に奥のほうに体が入り込む。そしてその先にいた後ろ姿の金髪の女性に密着してしまう。
さすがにこの体勢は不味いだろうと体を離そうとするが、寿司づめ状態の満員電車の中では不可能だった。
(参ったなι)
ふと前方の女性を見ると、何だか見覚えのある後ろ姿だった。
気になって斜め後ろから覗き見ると、その人物はシンの学校の教師であるカガリ・ユラ・アスハだった。
(ア、アスハ先生!?)
密かに憧れていた女性とこんなに至近距離にいる事にシンの心臓が早鐘のように鳴り始める。
一方のカガリは、立ったまま軽く寝入っているようで、後ろから覗きこんだシンに気付いていなかった。
どうする事も出来ず、ただ固まっているシンの鼻孔にふわりと良い香りがする。すぐにその香りがカガリから匂って来たものと気付き、シンの熱が上がる。
布ごしに伝わるカガリの感触や温もりにシンの下半身が反応し始める。
(ま、まずい!)
焦るシンの思いをよそにそれにどんどん血が集まって堅く立ち上がって行く。
それと比例してシンの自制心も危なくなって来ていた。
そして目の前のカガリの肩が、自分のお尻に当たっている堅くて生暖かいものに気付いたのか、びくりと震えた。
その瞬間、シンの理性が音を立てて切れた。