‡SECRET GARDEN‡

□目醒める想い〜前編
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もうじき日付が変わろうとしている夜遅く、ジュール家にベロンベロンに酔っ払った家の主イザークが同僚であるアスランに支えられながら帰宅した。



「いまぁ〜帰ったぞ〜カガリ〜」



「はいはい、お帰り。…いつも悪いな、アスラン。こんなに酒癖の悪い亭主を家まで送ってもらって」



完璧に出来上がっているイザークに呆れながらも、わざわざ送ってもらったアスランに申し訳なさそうな笑顔を向ける。



「気にするな。一緒に飲む以上は初めから覚悟の上だ」



少しも構わないといった風のアスランの微笑みにほっとしたかのように表情を綻ばせると、2人がかりでイザークを寝室へ運び寝かせ、カガリはアスランに茶を勧めた。



アスランはそれを快く受け、リビングでカガリと向かい合わせに座りお茶を飲み始める。



他愛のない世間話をしながら、くるくる変わるカガリの表情を幸せそうに見つめるアスラン。



だがその穏やかな翡翠の瞳の奥で、情炎の光が揺らいでいる事にカガリは気づいていなかった。



ふとカガリが時計を見ると、すでに深夜1時を回ろうとしていた。



「もう遅いし、今日は泊まっていかないか?ちゃんと客室もあるんだし…」



「…そうだな。さすがに今日は俺も飲みすぎたから、お言葉に甘えようかな」
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