才色飛車〜利き駒の調べ〜

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「…ぁ…ぁぁああああ!!!」

「「「なっ!!?」」」



ドーン!!!



「ぎゃーっ!」

「旦那ァ!!?」

「彼方っ無事か!?」



幸村が飛んで突っ込んできた。
当人は逃げ遅れた彼方を巻き込み、彼女をクッションにする形で地に伏せっている。



「痛ぁい…」

「彼方ちゃん!?大丈夫!?ちょっと旦那っ!早く起きて!」

「ぅ…むぅ…」



パチリ



体を起こした幸村と彼方の視線が交わった。
一瞬の間の後、自分が彼方を押し倒すような格好になっていることに気付いた幸村の頬がみるみる紅く染まっていく。



「破廉恥なぁあああ!!!!!」

「Σ………!(キーン!) (うるせぇーっ!!!)」



幸村の衝撃を受け、地に叩きつけられ、さらにとどめとばかりに極めて近い距離で大声を出された彼方。
当然ながらぐったりである。



「無事か真田ァ…って何やってんだテメェ!彼方から退けよ!」



試合相手であったらしい政宗が幸村を探しに来た。
そして今の状態を目にし、何があったのか大体分かったようだ。
慌てて幸村をポイッと投げ飛ばし、彼方を抱き起こして顔を覗き込んだ。



「Hey!彼方!大丈夫か!?」

「旦那ー…は…いいや後回し!彼方ちゃん!どこが痛い!?」

「政宗様っあまり動かさぬ方がっ!」

「うー受身とったから大丈夫だよー」

「本当か?」

「うん。むしろ最後の大声が効いた…」



はは…と彼方は乾いた笑みを見せた。



「竜の旦那ー、何があったわけ?大体想像できるけど」

「試合が終わった時に武田のオッサンが来てな…いきなり殴り合ってこのザマだ」

「やっぱりね…旦那が吹っ飛ぶなんてそれくらいしかないし…」



佐助はあーあ、と額に手を当てて溜め息を吐いた。



「とりあえず寝てろよ。な?」

「うん…」

「OK、なら俺が運んで…」

「小十郎さんおんぶー」

「What!?なんで小十郎なんだよ!」

「お兄ちゃんだから」

「Brother?チッ、しょうがねぇなぁ…今回は小十郎に譲るか」



さっきの話をしているのだと分かった小十郎は、フッと笑って身を屈めた。



「仕方ねぇな、ほら乗れ」

「わーい!」



彼方は政宗の腕から抜け出し、小十郎の背中へ飛び付いた。



「彼方ちゃん…実は結構元気でしょ」

「ウワーン、イタイヨー」

「Σすごい棒読み!」

「まぁ大事を取って寝とけ。おら、行くぞ、掴まれ」

「はーい」

「後はやっとくからちゃんと寝てるんだよ」

「起きろ真田ァ!」



幸村をどうにかしようとしている二人に背を向け、小十郎は彼方を背負って歩き始めた。
そして佐助と政宗の声が聞こえなくなった距離まで来ると口を開いた。



「ったく…本当に大丈夫なのか?」

「大丈夫ですよー。なんら問題ないです」

「ろくに寝てない奴が言う言葉じゃねぇな」

「…バレてました?」

「猿飛の奴も多分気付いてるだろ。そんな寝不足の状態で木に登るんじゃねぇよ」

「はぁい…」

「毛利もそろそろ来るだろ。もう少し辛抱してろ。なに、すぐだ」

「………はい」



きゅう、と首に回された腕の力がほんの少し強まったのを感じて小十郎はクスリと笑った。



淋しがってることなんざお見通しだぜ



利き駒 智将を待つ



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こじゅは本当にいいお兄さんだ…
頭撫でてもらいたいハァハァ←
そして正月のBSR5周年イベントが今から待ち遠しくて仕方ない私。
昼の部にいるので行く方は声かけてくださいね(笑)

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