才色飛車〜利き駒の調べ〜
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安芸の城にて
「ではこれで決まりだな」
「おうよ」
行き違いがあったものの、毛利軍と長曾我部軍は無事に同盟を結んだ。
領地を拡大し力を付けてきた織田や豊臣への牽制が狙いだ。
だが今元親の興味は別のところにあった。
話し合いが終わり、お茶を持ってきた“利き駒” 彼方のことだ。
「元就さんっ…腰の手を退けてくださいってば!//」
「ふん、知らぬな」
「ちょっ…どこ触って…ッひゃん!」
「そなたから近づいて来たのであろう?」
「お茶を持ってきただけじゃないですかっ!っや、ぁ…っ//」
「お前らいい加減にしろよーっ!!!///」
話し合いが終わった途端に二人きりの世界に入ってしまった元就と彼方。
果てには危険な空気が漂い始め、元親は居たたまれなくなっていた。
一体この彼方という女は何者なんだろうか…
そして元就との関係はどういったものなんだろうか…
疑問は尽きないが、いかんせん質問できる状態では無く元親は困り果てていた。
「抱いて欲しいと言ったのはそなたの方ぞ」
「言い間違いです!大体その言葉に照れて固まったのは元就さんですよ!」
「っ黙れ!//」
「耳まで真っ赤だったくせにーっ!」
「貴様っ!本気で犯すぞ!」
「ぎゃあああ!」
元親の背に隠れる彼方。
その様子に元就は不快感を顔に出した。
「彼方…こちらへ来い」
「嫌ですー」
「………(彼方を返せ)」
「…お前ら一体どういう関係なんだ?てかこいつは何者なんだよ」
元親が元就に物凄い目で見られているのに気付かないふりをして質問する。
「我の駒ぞ」
「ですね」
「何者と言われても…」
「んー…ナマモノですね」
「……まぁな」
「…どっから来たんだ?戦闘はどこで覚えた」
「えー…」
続けざまにした質問に彼方は言葉を濁した。
そんな彼方の様子を見て元就が口を開いた。
「まぁ貴様とも一応同盟関係にあるわけだからな。教えてやろう、彼方は……日 輪 の 使 い なのだ」
「「……………」」
「……………」
「うわ馬っ鹿じゃねぇの?」
「仕方ないですよ。元就さん頭弱いんですから」
「……一閃!」
「「ぎゃああああーっ!!!!」」