才色飛車〜利き駒の調べ〜
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「女の子相手に酷いですねぇ…」
「誰だ!?」
「しかも計画はペラペラ喋るし。依頼人も頼む人間間違えたんじゃない?」
「何だと!?出てきやがれ!」
「もう後ろにいますけど」
「「「なっ…!?」」」
そこに立っていたのは政宗様と同じ年頃だろうか、一人の女性だった。
美しさと可愛いらしさを兼ね備えたような…今の場には不釣り合いな人。
「女の子に暴力はよくないですねー。眠っててください」
そう良い終わった瞬間には、五人いた男は全て地に伏せていた。
「ふぅ、驚かせちゃいましたね。すいませんねー、出ていくタイミn…あー、間を見計らってたら遅くなっちゃって」
「い、いえ。貴女は…」
「私のことは後です。暗殺計画を何とかしないと」
「そ、そうだわ!急がないと!」
「まぁ落ち着いてください。客人っていうのは誰なんですか?」
「南蛮のものも含めた様々なお茶を扱っている方です…。珍しい茶葉が手に入ると献上しに来る政宗様贔屓のお客人で…」
「今はどこに?」
「宿にいらっしゃいます。私はそこにお迎えにあがる途中で…」
「よし、じゃあひとまずそこに行きましょう。毒の確認もしないと。馬を繋いであります。乗ってください」
「え、あ、はい…!」
私は言われるままに近くに繋いであった馬によじ登る。
彼女は男たちを木に縛り付けると、私の後ろに乗って馬を走らせた。
「どこの宿ですか!?」
「あそこです!あ、光右衛門様だわ!」
私が遅くなったから不思議に思ったのかしら。
外で辺りを見回していらっしゃる。
「光右衛門様!」
「おぉ、お美代さん。いつも早くに来て話を聞いてくれる君が今日は遅いからね…心配になってな」
「申し訳ございません!し、しかし今は…!」
「お美代さん、中で話しましょう。光右衛門さんにも説明しないと」