才色飛車〜利き駒の調べ〜

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独眼竜の元にて



「彼方、政宗様の様子を見てきてくれ。それと仕事が終わっているようなら、今日のところはそれだけだから後はご自由にと伝えてくれるか」

「はーい!」



彼方にそう頼んだのが少し前。
彼方が来てからは政宗様の仕事の能率が上がって助かっている。
少しでも彼方との時間を増やそうとする政宗様…。
今までには考えられないことだが、分からなくもない。
彼方には不思議な雰囲気がある。
誰であろうと受け入れてくれるような…何とも言えない安心感のようなもの。
誤解が解けても政宗様が彼女を滞在させるのはきっとそんな雰囲気を持っているからだ。
正直に言うとパタパタ走り回って俺の手伝いをする彼方を見て、俺も和んでいたりする。
政宗様だけではないのだ、彼女を置いておきたいのは。

俺自身の仕事にも一段落つき、政宗様の様子を見に行く。
すると話し声が聞こえてきて、仕事が終わったんだと予想できた。
そっと様子を伺ってみる。



「さぁ次は“だ”だぜ」

「んー…“団子”!」



しりとり…。
奥州筆頭がしりとり…。
それは良いとしても二人の体勢が気になるところだ。
政宗様が彼方を後ろから抱き締めて寝転がっている状態。
…政宗様、変な気は起こさぬよう。



「“ゴマ”」

「まー…“孫”」

「“豪華”」

「“籠”!」

「ご…“豪雨”」

「“雨後”」

「また“ご”かよ!…Ha,返してやるぜ、“碁”だ」

「“午後”」

「………」



彼方…。
政宗様を黙らせるとは…!
なかなかのやり手だな…。



「…彼方」

「“ご”だよ?」

「…“強姦”」

「“ん”だし!単語も単語だし!…って、ちょっ!ひゃっ!」

「こんなピラピラした服着やがって!見せるなら喰わせろ!」

「政宗に喰われるために着てるわけじゃねぇーっ!服に手を入れるな!足を撫でるな!//」



Σ政宗様…!
昼間からなにをしておられるんですか!
ご自重なさいませ!!
…だが彼方の変わった服装に目が行くのは男として当然だ…。
って俺は何を!!!



「Ha―hahahaっ!Paradiseに連れていってやるぜ!」

「……っ」



あ、あの様子は…!
いけません政宗様!
彼方を怒らせてしまいますぞ!


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