才色飛車〜利き駒の調べ〜

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四国での談義



「いや、だからね、筋肉はあればいいってもんじゃないんだよ」

「なーにを言うかぁ!あってこその筋肉ぅ!!」

「うるせぇ黙れ!大切なのはバランスなんだよ!黄金比に合わせて鍛えてこそ萌える肉体になんだよ!」

「ぬぅぅ…!ワケの分からんことを…!」

「要はありすぎの筋肉に萌える要素はないってことです、うん」



久しぶりに見た彼方ちゃんはやっぱり彼方ちゃんだった…
俺様大感激ぃー…


なにやら落ち込み気味の毛利軍から応援要請を受け、彼方ちゃんの様子を見に来た俺様。
雀部が使えない状態の上、下っ端じゃご機嫌斜めの彼方ちゃんに追い返されるから俺様が駆り出されたってわけ…
家出したみたいけど…何があったんだろうね?

恐らくは四国にいるってことで来てみたら案の定彼方ちゃんを発見!
前田の風来坊はまだ分かるとしても…
なんで本願寺まで…!!?
しかもなんなのあの筋肉についての話!



「筋肉を鍛える修行に明け暮れる毎日を送る我ら!そんな拙僧らに細かい理論は必要ないのだ!」

「そもそもずっと筋トレしてても意味ないんだけどな。鍛えてから休むことによって筋肉は発達するらしいし」

「なにを!?入門したばかりの筋肉たまご隊は毎日鍛えて立派な筋肉隊になりつつあるわ!」

「筋肉たまご隊…?そんなのあるんだ…」

「そう!新人の隊じゃあ!これから筋肉の鬼となる筋肉たまご隊!略して…!」

「あー、きんたm 「「「Σぅおぉぉい!!!!」」」



彼方ちゃーん!!?
また!またそういうこと言って!
忍んでたのに思わず出てきちゃったじゃん!
唖然として聞いてた鬼の旦那と風来坊の声とも被っちゃったじゃん!



「なっ!?てめぇ真田の忍!!?何しに来やがった!!」

「あれー、お忍びくん?いつぞやは世話になったねぇ。また遊びに行くよ!」

「二人とも話は後!今は…彼方ちゃん?ダメでしょ!女の子がはしたないこと言っちゃ!」

「佐助さぁんww」

「ちょ、そんな嬉しそうに笑ったって誤魔化されないからね!」

「久しぶりですねー!」

「(ぐ、可愛い…!)着物姿も似合ってるけど!裾をちゃんと直す!」

「真田の…!お前分かってくれるか!そいつ全く女ってことに関心がねぇんだ…!」

「鬼の旦那…!分かるよ!お転婆でもいい!だけど少しは女の子らしくもしてほしい…!!」



鬼の旦那も苦労したんだね…(ホロリ)
二人で意気投合していると、もそもそと着物を直す彼方ちゃんが見えた。
偉いね…!ちゃんとできたね…!



「慶次、変じゃない?」

「いーや!変じゃないよ、ちゃんと直ってる」

「拙僧を無視するでないわぁ!」

「「「「あー…」」」」

「なんつーかよぅ…今回は帰ってくれねぇか?」

「帰れだと!?西海の鬼…見くびるでないぞ!」

「やだなー。元親はチクビってるだけで、見くびってはいないですよー」

「彼方ーっ!!?」

「ねぇ彼方ちゃん、俺様彼方ちゃんといてチクビって聞かない時がないんだけど」

「えーそうですかねぇ」



最初に会った時といい…
武田に来た時といい…
まったくこの子は…




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