才色飛車〜利き駒の調べ〜

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「とりあえずお前は帰れ!」

「だから拙僧に対して無礼な…!」

「まぁまぁ本願寺サン!今回は諦めて帰ってくれよ!」

「風来坊か…!む!そういえば前田夫妻が探しておったぞ!」

「げ!やっべぇ!」

「拙僧と来るならば帰ってやってもよいわぁ!お主を引き渡せば謝礼の一つでも貰えるじゃろう」

「えー…」



顔をしかめて渋る風来坊。
俺様的には帰ればー?って感じなんだけどね!
鬼の旦那を見ると、風来坊の肩にぽんと手を置いたところだった。



「な?いいだろ?帰れ」

「ちょ、元親ぁ!?」

「お前が行ってくれれば俺らは安泰なんだよ!」

「尊い犠牲ってことじゃね?」

「お忍びくんまで!…分かったよ帰るよ…」



風来坊はため息を吐いて頭を掻いた。



「えー慶次行っちゃうのー?」

「んーまぁ仕方ないさ。利とまつ姉ちゃんが来ちゃったら厄介だし」

「そっかぁ…また遊んでくれる?」

「もちろんさ!中国にも遊びに行くよ!だから彼方ちゃんも早く仲直りしなよ?」

「うーん…それは元就さん次第…」

「あはは!」



仲直り、ってことは…
やっぱ彼方ちゃんと毛利の旦那は喧嘩してたのかー。



「じゃ!またなー!」

「おうよ!」

「甲斐に来る時は連絡してからにしてよねー」

「じゃあねー!夢吉も元気でねー!」



頑張れ風来坊!
着くまできっと延々と筋肉の話をされ…修行に付き合わされ…!
着いた暁にはおっかない義姉に引き渡されるんだぜ…!
…なんか風来坊…完全に生け贄じゃね?





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